陸上女子1万メートル日本記録保持者で、東京五輪代表の新谷仁美(32=積水化学)が25日、世界と戦うために、5000メートルの日本新を「最低条件」と位置付けた。

都内で練習を公開し、強化の青写真を説明した。「1万メートルで29分台を出すためには、もうワンランク上に行くためには、5000メートルで日本記録更新することが最低条件と思っている。とりあえずそこを目指す」と語った。

12月4日の日本選手権1万メートルで30分20秒44の日本新を樹立した。従来の記録を28秒45も塗り替えたが、目標は世界との勝負。「いつまでも酔いしれている場合ではありません」ときっぱり言う。アフリカ勢を倒すには、リズムよく、スピードで押しきる形を思い描く。それを可能にするためには、5000メートルの日本記録14分53秒22秒(05年福士加代子)を上回るスピードを身に着けるのが「最低条件」とする。今の自己記録は今年9月にマークした14分55秒83で、日本歴代2位だ。

2021年へ向けては「それこそ勝負の年。全ての試合で勝ちに行く。そしてしっかりタイトルを持って帰る」。今後も横田真人コーチに練習メニューを任せ、強化に取り組んでいく。新谷は「結果が悪かったら、横田コーチの責任だと思ってください。私のせいではありません」。信頼関係があるからこその言葉で、笑いを誘った。

【上田悠太】