陸上の日本室内選手権(17、18日=大阪城ホール)に男子走り高跳びの長谷川直人(24=新潟アルビレックスランニングクラブ=RC)が出場する。オフシーズンに助走を改良して、21年最初の競技に挑む。昨年10月の日本選手権は2位タイ。日本室内は目指している東京オリンピック(五輪)出場への手応えをつかむための大会になる。

縦に5台並べたハードルを長谷川は両足跳びで越えていく。室内トラックでのトレーニング。全身は高く浮き上がった。ハードルの高さを徐々に上げ、最後に跳んだ高さは106・7センチ。「100メートルくらい、ハードルを並べてもいけると思いますよ」と跳躍しながら涼しい顔で話した。屋外でバーを越える本数は冬期間になると大幅に減るが、自信にあふれていた。

「東京オリンピックに向けて助走の見直しをかけた」と言う。9歩の助走は従来通りだが、カーブの少ない直線的な軌道に修正した。右足の踏み切りポイントも微調整。バーの真下からサイズ27センチの足、4・5足分から5足分に離した。「大きい山を描く」が跳躍のイメージだ。身長177センチはハイジャンパーとして小粒だが、自己ベストは県記録の2メートル25。「身長より50センチ高いバーを越えて、初めて一流選手といえる。まだそれに達していない」と伸びシロを信じていた。

新潟医療福祉大4年の18年にインカレで優勝(2メートル18)した。新潟アルビレックスRC所属1年目の19年には県記録を28年ぶりに1センチ更新する2メートル25をマーク。コロナ禍の昨年は大会出場回数が減り、出場は9試合。一昨年は欧州3カ国を含む19大会に出場していただけに半数以下だった。しかし、日本選手権(昨年10月)で2位タイ(2メートル20)に入るなど歩みを止めていない。五輪出場標準記録は2メートル33と、高い設定ながら挑戦の心を持ち続けていた。「日本室内以後も数試合積んで、日本選手権(6月)に合わせたい」。長谷川が東京五輪へ、助走の第1歩を踏み出す。【涌井幹雄】

◆長谷川直人(はせがわ・なおと)1996年(平8)11月15日生まれ、新潟市出身。新発田中央-新潟医療福祉大卒。葛塚中1年で陸上開始。3年時に走り幅跳びから走り高跳びに転向。最初の記録は1メートル45。自己ベスト2メートル25は県記録。177センチ、67キロ。血液型B。