男子1500メートル決勝は、山口智規(福島・学法石川3年)が3分50秒87で優勝し、自身初の全国高校総体出場を決めた。

学法石川・山口が驚異のラストスパートで優勝をさらった。残り100メートルになると準優勝した秋田工・大野聖登(きよと、2年)と激しいスパート合戦。並走しながら残り10メートル付近で外からかわし、右手でNO・1ポーズをつくり、先頭でゴールに飛び込んだ。

プラン通りではなかった。20日に5000メートル決勝、24、25日は大阪で開催されるU20日本選手権の1500メートル予選、決勝が控える。「連戦中で、ひきょうかもしれないですけど、ラスト100メートルまでは出ずに勝てればと思っていた」。しかし、ふたを開けると、山口が400メートル、800メートルを1位通過し、レースを引っ張った。ラスト1周の鐘が鳴り、一時は周りに囲まれて4、5番手に後退も、800メートルが主戦場の先頭大野をホームストレートで逆転。「最後は速い選手に競り勝てて自信になったし、勝つレースができたのは良かった」と収穫もあった。

全国高校総体2種目出場に向けて、5000メートル決勝は仙台育英(宮城)の吉居駿恭(3年)らと優勝を争う。「強い選手がたくさんいるので、胸を借りるつもりで臨みたい」。4月にマークした5000メートルの自己ベスト13分46秒95は今季高校ランキング5位(日本人2位)。東北の長距離NO・1の座は譲らない。【山田愛斗】