陸上の17年世界選手権の男子50キロ競歩で銅メダルを獲得した小林快(28)が今季限りで現役を引退することになった。10日、所属する新潟アルビレックスRCが発表した。

25日の全日本実業団対抗選手権の男子5000メートル競歩が引退レースとなるという。競歩を題材に小説「競歩王」のモデルにもなったウオーカーは「『今この瞬間を夢のために使えているか』。周りがやっているから、先人がやってきたからではなく、今自分に本当に必要なことを常に考え、そして体現してきたことが私の競技人生最大の誇りです。たくさんのサポートと協力し合う仲間たちがいたからこそ、実現できたことだと痛感しています」とコメントした。

秋田県生まれ。大館東中1年で陸上を始めた。秋田工高では長距離と競歩を両立していた。両立を続けていた早大3年時に、故障もあって競歩に専念。箱根駅伝への憧れもあったが、走ることは諦めた。50キロ初挑戦となった16年の全日本50キロ競歩高畠大会で優勝し、翌年の世界選手権の切符を手にし、その世界の舞台で輝いた。ただ、その後は本来の力を出せず、19年世界選手権、今夏の東京五輪と代表権を逃していた。

「自分としてもこれ以上なかったと胸を張れる取り組みをしてくることができました」と完全燃焼だった。また周囲のサポートにも「感謝してもしきれません」。今後については「これからも陸上競技に携わって参りたいと思います」としている。