十日町南が男女アベック優勝を決めた。女子は1区春日未鈴(2年)からアンカーの主将・大塚彩世(3年)まで1度もトップの座を譲らない展開で、47分43秒をマークし2年ぶりのV。大塚彩の双子の妹有莉が3区区間賞の走りを見せるなど2人の3年生がチームを引っ張った。男子は1時間2分10秒で10年ぶりの優勝。陸上部以外の“助っ人”が3人交じる布陣で快走した。全国大会は12月19日に滋賀で行われる。

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大塚彩は両人さし指を突き立て、ゴールに飛び込んだ。両足首に巻き付いたゴールテープを外し、トラックに一礼。荷物集積所に向かう足取りは3キロ走った後も力強かった。2位に40秒差の独走V。「メンバー、(卒業した)先輩、友達の顔を思い浮かべながら走った。こんなことができたのは、前の人たちが差を広げてきてくれたから」と笑顔でぶっちぎり優勝を喜んだ。

夏休みに2泊の妙高合宿を2回積んだ。当初は5回予定も、コロナ禍で回数は減った。しかし1回の合宿で多い時には計20キロ。やることはやってきた。10月にも妙高で1泊の調整合宿。メンバーを外れた選手全員からメッセージが送られるなど5人のモチベーションは高まっていた。主将の大塚彩は「気持ちが優勝に向かっていたのが勝因」と話した。

3区で区間賞を獲得した有莉は大塚彩の双子の妹。レース前に言葉を交わさなかったが、普段から駅伝に関する会話をしている。2年生主体のチームながら、3年生の双子の姉妹がチームの柱。4区根津美優(2年)は「頼りになる存在」と言う。初出場した19年の全国中学駅伝は8位。大塚彩は「一昨年の結果に近づけるように頑張りたい」と全国へ視線を向けた。【涌井幹雄】

○…男子の十日町南は2位小千谷に41秒差をつけた。滝沢慶太監督(37)は「出来過ぎ」と言った。1区清水詩と2区高野莉空(ともに3年)の“本籍”はバスケットボール部。2区高野がトップから6秒遅れの2位でタスキを受け、3区宮園京孜(2年)につないだ時は2位に12秒差のトップに立った。「結果的に優勝できて良かった」。さらに4区を走った上村明日真(3年)は競泳200メートル個人メドレーで県大会5位のスイマーだ。「水の方が得意」と話したものの区間2位の激走。「順位は気にせず、全国を経験して来年が勝負」と話した滝沢監督だが「しっかり作って全国に」と今年ももちろん、勝負する。