04年アテネ五輪女子マラソン金メダルの野口みずき氏(43)が15日、大阪市内の小学校で特別授業を行った。大阪市がトップアスリートを講師に招いて子どもたちと触れあう「夢・授業」と題したイベントで、約1時間45分にわたって小3の生徒約100人に、講演とランニング教室を行った。

野口氏は、04年金メダルと08年北京五輪のけがによる直前欠場などの現役時代の話を披露。頂点とどん底を経験した野口氏は「一段一段、階段を上がるように、努力してほしい。一段飛ばし、二段飛ばしはよくないです。絶対に夢がかなうとはいえないけど、それが夢に近づく方法だと感じてほしい」と話した。また「自分が元気な時は周りの声も聞ける。私も経験があるが、ネガティブな時は周りの声が聞けないもの。そういう時こそ、身近な人の声、支えを感じてほしい。それが立ち直るきっかけになりました」と語りかけた。

校庭でのランニング教室では、ブラジル体操などリズミカルな動きを生徒たちと一緒に行った。生徒から「持久走はどうやったら、同じペースで走れますか?」と質問されて「練習で持久走を走るときに、途中で徒競走に近いような速いリズムも入れよう」と説明した。【益田一弘】