昨年初優勝を果たした多田修平(25=住友電工)は、準決勝2組で10秒41で6位となり、敗退が決まった。

自己ベスト10秒01の多田は、今大会を故障明けで迎えていた。5月のセイコー・ゴールデングランプリ(GGP)を当日に棄権。左太もも裏の軽度の肉離れが原因だったという。約2週間のリハビリや治療を経てスプリントの練習を再開し、徐々に調整のペースを上げてきていたが、「走っている中で一瞬、痛みが走る」。恐怖から踏み込めず、「空回りの走り」と肩を落とした。

昨年の東京五輪へ向けた中での疲労蓄積の影響はあるか。問われると「若干あるかな。悔しくて、休みなく練習していたので。焦りもあった。身体的な強化とかみ合わなかったかな」と振り返った。

世界選手権代表はならず。「しっかり休みたい。あくまで目標はパリなので」と顔を上げた。

◆世界選手権の内定条件 男子100メートルは参加標準記録(10秒05)を突破した上で、今回の日本選手権で3位以内に入れば代表に内定する。大会前の時点で標準記録を突破している選手はいなかった。