東京五輪代表の広中璃梨佳(日本郵政グループ)が、1万メートルと2種目での世界選手権代表内定を決めた。前半から先頭集団のトップを走り続けたが、残り1周で優勝した田中希実(豊田自動織機)の猛スパートについていけず、15分11秒08で2位。優勝は逃したが、すでに参加標準記録(15分10秒00)を突破しており、3位以内に入ったため、代表に内定した。

東京五輪では1万メートルで7位入賞、5000メートルでは9位。両種目で今夏の世界選手権代表に内定して、レース後は「1万メートル終わってから、この日まですごい不安と葛藤との戦いだったのですが、その中で内定を決められたのでホッとしています」と、安堵の笑顔を見せた。

ラスト1周で田中のスパートに突き放されたが、「スピードの差を見せつけられたかなという気持ちもあるけど、ここから世界陸上に向けて五輪の自分を超えられるように、今後また精進していきたい」と、あくまで照準は世界選手権に定めていた。

○…1万メートルと2種目での内定を決めた広中だったが、笑顔はなかった。田中のラストスパートについていけず「とても悔しい。ラストで競り負けてしまうようなスピードが(田中には)ある。1万メートルと同じレース展開じゃダメだった」と振り返った。世界選手権に向けて、米国での高地トレーニングを予定している。「高地に行くのは初めて。スピードのなさが目立っているので」と、スプリント能力の向上を誓った。