世界選手権(15日開幕、米オレゴン州)女子400メートルリレーに出場する御家瀬緑(21=住友電工、恵庭北)が日本代表応援レース(非公認)に臨んだ。混合の400メートルリレーに登場し、世界選手権へ向け最終調整。今年1月に現役を引退した幕別町出身の福島千里さん(34)がこの日引退セレモニーに出席。かつての国内女王が見守る前で、日本短距離界のバトンを受け継いだ。

御家瀬の表情は責任と自覚にあふれていた。この日、福島さんの引退セレモニーが行われた。「この1、2年が女子短距離界のターニングポイントになってくると感じている。自分たちが先陣を切っていくぞという気持ちでいる」。100メートルと200メートルの日本記録を持ち、08年北京から3大会連続でオリンピック(五輪)出場した道産子の大先輩からバトンを引き継ぐように、力強い言葉が飛び出した。

成長している姿を先輩の前で見せた。4年前の18年、同じ南部忠平記念で福島とともに同種目に出場している。3走の福島からバトンを受け、アンカーとして優勝に貢献した。「あの頃と状況は違いますけど、同じような情景だなと。でも今は責任感があの頃より強くなったなというふうに感じる」と口にする。

世界選手権へ向けた最終調整を兼ねたこの日の400メートルリレーには、日本代表の青木益未(七十七銀行)、君嶋愛梨沙(土木管理総合)、児玉芽生(ミズノ)とともに参戦。福島さんから「頑張れ~」とメッセージをもらいレースに臨んだ。3走の児玉からスムーズにバトンを受けトラックを駆け抜けた。2本目43秒67で、男子立命館慶祥高、旭川大高に次ぐ3位だったが、日本記録(43秒39)に迫る好タイムに「チームそれぞれが上げていった結果、大きな収穫。世界陸上に向けていいレースができたと思う」と笑みを見せた。

活躍する御家瀬の姿に福島さんは「素晴らしいエリートアスリートだと思う。このまま成長していってほしい」とエールを送った。今後は個人で調整を重ね、17日に世界陸上開催地の米・オレゴン州へ向け出発する予定だ。「世界選手権ではグーンと記録を伸ばして、決勝のラインに届くように頑張りたい」。満を持して世界に挑む。【山崎純一】