栃木国体の成年少年女子共通400メートルリレーで、初優勝を目指した宮城県は、地元開催だった01年以来21年ぶりの準優勝に輝いた。1走・松本沙耶子(27=七十七銀行)、2走・三浦由奈(筑波大3年)、3走・千葉安珠(あんじゅ、常盤木学園1年)、4走・浅野結(ゆい、同2年)の布陣で、45秒12の県新記録でフィニッシュ。目標の44秒台には届かなかったが、今大会の予選でマークした45秒43を、すぐに塗り替えた。

宮城県最速の4人組が誕生した。成年少年女子共通400メートルリレーで、21年ぶりに準優勝。大会新の44秒76で優勝した北海道に及ばなかったが、県新記録の45秒12を打ち立てた。1走・松本は「宮城は優勝したことがなかったので、優勝を狙っていたが、頼りになる後輩たちと支え合いながら楽しくレースができました」。2走・三浦は「自分はリレー種目で全国上位の経験がなかった。国体で一番良い結果で、良い経験ができたが、悔しい気持ちもあります」と総括した。

“先行逃げ切り型”で勝負した。社会人と大学生の「姉」が1、2走で貯金をつくり、常盤木学園コンビの「妹」が3、4走で、その貯金を生かして逃げ切るプランで優勝を狙った。まずは1走・松本がスタートダッシュを決め、2走・三浦でトップに浮上。3走・千葉安は北海道に差を詰められたが、先頭を守った。

4走・浅野が奮闘も、頂点に1歩及ばなかった。7月の世界選手権女子400メートルリレー代表で日本記録樹立に貢献した、北海道の御家瀬緑(21=住友電工)とのアンカー勝負で逆転され、2位に後退。「1番で来るのは分かっていたので、どうにか乗り切りたかった」。ゴール後には悔しそうな表情を浮かべ、天を仰いだ。「抜かれたことのショックはでかすぎますが、最後までしっかり走れたのは良かったです」。トップランナーに食い下がり、100%の走りを貫いた。

メンバー全員がそろったのは陸上競技開幕前日の5日だった。それでも6日の予選を45秒43で全体トップ通過。7日の準決勝は全体2位の46秒08秒で、決勝でも会心のパフォーマンスを披露した。千葉は「前からやっていたかのように仲が良い」チームと表現。「自分の憧れている先輩方とリレーができ、楽しんで、結果も2位でうれしかったです」。松本、三浦、千葉安、浅野の「4姉妹」が、宮城の陸上史に新たなページを刻んだ。【山田愛斗】