宮城が2時間19分54秒で5位に入り、3大会連続入賞を果たした。中学生の2区間を除く7区間で、OGを含む仙台育英勢が好走。1区(6キロ)米沢奈々香(名城大1年)が、区間4位の19分26秒で上々の滑り出し。4区終了時点で9位まで沈んだが、5区(5・0875キロ)杉森心音(仙台育英3年)が、7人抜きの16分11秒で区間賞を獲得し2位に浮上。6区(4・1075キロ)長岡みさき(同1年)も、13分18秒で区間賞と後続に流れをつくった。東北勢は福島が7位、青森15位、秋田16位、山形17位、岩手は最下位の18位だった。

杉森が会心のごぼう抜きで、5区の主役をかっさらった。タスキを受け取った時点で1位と1分9秒差、2位と1分6秒差の9位。今夏全国高校総体3000メートルで、日本人2位の5位に入った走りで快調に飛び出すと、各県の走者を次々とかわしていく。インパクト十分の7人抜きで宮城を2位へと押し上げた。東日本女子駅伝では中学2年、高校2年時に区間2位。目標タイム16分10秒には1秒及ばずも、三度目の正直で区間賞をつかんだ。

「チーム目標の3位に貢献する走りがしたくて、全然何人抜かしたかは分からなかったんですが、とにかく1人1人抜こうとした結果、2位まで上がったので、いい内容のレースができたと思います」

第5中継所手前では実力者を抜き去った。2位の東京・増渕祐香(名城大3年)を捉え、第4中継所での22秒差を逆転。全日本大学女子駅伝で名城大アンカーとして区間新記録を樹立し、史上初の6連覇に貢献した同選手に競り勝った。

5区のエントリーが確定した時点で「増渕さんが一番怖かった」という。「まさかここまで走れるとは思っていなくて、憧れの先輩方と一緒に走れて、いい経験ができました」。前日ミーティングでは宮城のコーチを務める仙台育英・釜石慶太監督(35)から「レース前に不安な気持ちを持っていたら、最大のパフォーマンスを発揮できない」とアドバイスを受けた。その言葉で覚悟を決め、自分のペースで攻め抜いた。

前回大会で5区区間賞を獲得した米沢の16分9秒にも2秒差に迫った。「去年の奈々香先輩の記録に及ばなかったのは悔しいですが、そこで2秒届かずに悔しかった思いを全国高校駅伝で晴らし、チームに貢献できる走りができたらいいなと思います」。2連覇を目指す12月25日の全国高校駅伝で、さらに進化した姿を見せる。【山田愛斗】