日本陸上競技連盟(日本陸連)は15日、都内で年間表彰式「アスレティックス・アワード2022」を開き、特別賞に俳優の織田裕二とタレント中井美穂を選出した。2人は25年にわたって世界選手権(世界陸上)の中継番組でメインキャスターを務め、陸上界の認知度向上に寄与してきた。

ともにビデオメッセージで式典に登場。織田は受賞の知らせを受けた時のことを回想し、「怒られるんじゃないかとドキドキしていた」と笑顔で明かした。

織田はかつて野球少年で、ラグビーやテニスもプレーしたことがあったが、陸上競技は未経験だった。「知らない人は『陸上やってたんでしょ?』って言うけど、いやいやいや、陸上が一番謎のスポーツでした。陸上って、僕にとってはトレーニングなんですよ」。当初は距離を感じていたが、取材を重ねるにつれて、その奥深さを知った。

今となっては、陸上を「シンプル・イズ・ディープ」と表現する。他競技をプレーする人にとっても、陸上競技に触れる経験は価値があると力説し、「自分の競技へ持ち帰っていけば、一皮むける可能性がある」と熱っぽく言葉を並べた。

今年7月の世界選手権(米オレゴン州)をもって、そろってメインキャスターから退いた。織田は「私たちは去りますが、陸上界、頑張ってください! 今度は現地で、ビールでも持ちながら『カーッ! 何やってんだ!』なんてね」と笑顔でエールを送った。タッグを組んできた中井も「インタビューに答えていただいたり、いろんなお願いを快く受けていただきました」と選手に感謝し、「ずっと陸上のファンでいると思います」と実感を込めた。

2人は97年のアテネ大会以来、13大会連続でメインキャスターを務めた“名コンビ”。織田が歌う「All my treasures」もテーマ曲として定着していた。