山下りの6区で駒大のルーキー伊藤蒼唯(あおい、1年)が、今大会駒大唯一の区間賞の快走を見せた。前日に5区の山登りで同じ1年の山川拓馬が好走。往路Vのゴールテープを切った。「(スーパールーキー佐藤)圭汰や山川が(学生3大駅伝を)走って。そこまでは応援や手伝いをしていましたが、今回の箱根で、彼ら2人の流れに乗りたいと思っていました」。30秒だった2位中大と47秒差に広げた。「中大は4年生で経験者だが、自分は何も知らない状態で臨みました。登りが得意なタイプではないですが、下りに入ってから離せると思った。最後の最後で離すことができた。目標通りです」とホッとした表情を見せた。

大八木監督が残り3キロ手前から監督車からゲキを飛ばした。「いつもの監督の声掛けで。『男だろ!』の声掛けもいただいて。はっきり聞こえて、力をいただきました。いざ言われる立場になると気合が入るじゃないけど、ラスト3キロ頑張れました」と感謝した。監督の勇退で、伊藤にとっては最初で最後の「男だろ!」。総合優勝へ、これ以上ない勢いをつけたルーキーは、「『男だろ!』を言われる人の方が少ないので。言われたことはかなり誇りに思っていいかな」と満面の笑みだった。