陸上女子で21年東京オリンピック(五輪)の1500メートルで8位に入賞した田中希実(23)が3日、都内で会見を開き、スポーツ用品メーカー「ニューバランス」に所属することを発表した。3月末に豊田自動織機を退社しており、プロに転向で、新たなスタートを切る。

会見で田中は現在の心境を明かした。今年1月末にニューバランスと契約を交わした大リーグのエンゼルス大谷翔平(28)に話題が及ぶと、尊敬の念を口にした。

「大谷選手の取り組む姿勢というのは、本当にいろんな人に刺激を与えている。私自身もアスリートの形として理想だなと、常々思ってきました。そういった選手像を目指していきたいです」

投手と打者の“二刀流”として世界で活躍する大谷を「アスリートとして、とても尊敬している選手」と実感を込めた。

田中も昨年7月の世界選手権(米オレゴン)で女子800、1500、5000メートルの3種目に出場。前例にとらわれないスタイルを貫き、「世界のトップ」になるための努力を重ねている。

プロ転向には、子どもたちに“可能性”を示したい思いもある。

「『あんな風になりたい』『もっと速くなりたい』という、漠然とした、でも強い思いや気持ちを持っていることが、自然とこういった形(プロ)につながる。そのスタイルを見せる一助になれば、とても幸せだなと思っています」

誰かの憧れになれるように。願いを胸に、修練に励む。