新潟経営大が来春、女子駅伝部を設立する。監督には14年の全国中学駅伝の男子で小千谷中(新潟)を率いて準優勝の実績を持つ山本仁士氏(48)が就任する。中学駅伝の名将が、県の駅伝活性化を目的に新天地で再スタート。最初の目標は24年の全日本大学女子駅伝出場に定めている。

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来春の創部に向けて山本監督はすでに行動している。高校の大会視察とスカウティング、関係者へのあいさつ回りのほか、関東の大学へ足を運び、大学駅伝の情報を収集する。「初年度なので大変だが、部員10人は集めたい」。全日本大学女子駅伝の選手登録は6区間を走る正選手と補員2人。それを上回る人数での発足を目指す。同駅伝の北信越枠は1で、現在、新潟医療福祉大が11年連続出場中だが「おこがましいが」と前置きしつつ、牙城崩しに挑む。

3月で十日町中(新潟)の教員を退職し、4月から新潟経営大の准教授、そして女子駅伝部監督に就任した。26年間、中学で指導してきた。13年に小千谷中で男女アベックでの全国中学駅伝出場を皮切りに男子は4年連続出場。14年は北信越勢史上最高成績の2位に入った。新潟県内の高校のほか、全国の実業団、大学に教え子がいる。築いた人脈、積み重ねを大学指導に役立てる。

「新しく作り始めることにやりがいを感じた」と言う。昨秋、同大スポーツ強化指定部委員会のスポーツ強化新設本部長を務める関博之教授(64)から打診された。選手のメンタルを重視しながら長所を引き出す指導を評価された。「お話を聞いて『やったるぞ』という気持ちになった」。同大はスポーツを中心に系列の短大、高校と学園全体の改革を始めた。サッカーと陸上用トラックを併設した新グラウンドの建設を予定するなど変化しようとする動きに共感した。

山本監督は「これまでやってきたことを生かせる」と地域の小中学生の指導も行い、普及も考えている。一からのスタートに含まれる要素は不安より楽しさ。「県の駅伝が発展するように」と大志を抱いて大仕事に着手する。【斎藤慎一郎】

 

◆山本仁士(やまもと・ひとし)1974年(昭49)7月19日生まれ、新潟・小千谷市出身。小千谷中、小千谷高から日体大とノルディックスキー距離の選手。97年に青海中に赴任し、駅伝の指導を始める。11年に小千谷南中の男子で全国中学駅伝に出場。13年は小千谷中の男女で出場。23年4月から新潟経営大経営情報学部スポーツマネジメント学科の准教授。

 

◆新潟経営大学 94年4月設立。スポーツマネジメント学科、経営情報学科がある。創設22年目の男子サッカー部はこれまで総理大臣杯7度出場(07年ベスト8)、全日本大学選手権4度出場(13年ベスト16)、天皇杯3度出場。18年ロシアW杯日本代表GK東口順昭(ガンバ大阪)やDF新井直人(アルビレックス新潟)らプロ選手を輩出。男子バスケットボール部OBには元日本代表のSG今村佳太(B1琉球ゴールデンキングス)がいる。23年4月に女子サッカー部が創部。