今夏のFISUワールドユニバーシティゲームズ(中国)代表の筑波大・樫原沙紀(4年)が、4分21秒50で2連覇を飾った。

レースは序盤から動いた。道下美槻(立教大)がいきなり飛び出し、後続を15メートルほど突き放しにかかった。

この展開にも、樫原は冷静だった。「私のラストのダッシュを誰か阻止してくるだろう」。ロケットスタートは想定内。「いつも勝負を狙うレースは後方につけるんですが、今回は2番手、3番手と出遅れない位置を意識しました」と対応策をとった。

その読みは当たった。残り400メートルを切ったところで道下をとらえた。終盤は保坂晴子(日体大)との一騎打ちへ。最後の直線手前で抜き去り、持ち前のスパートで2位の保坂に1秒42差をつけた。

レース直前に同期やチームメートからエールを受け「やるしかないと思って頑張れました」と笑顔を見せた。

今季は4月21日の学生個人選手権で優勝すると、同29日の織田記念では3位(ともに1500メートル)。勝ち切る試合が続いているが、満足はしていない。明快な口調で言い切る。

「タイムを狙いたいシーズンではあるので、もうちょっと攻めたレースもしたい。自分の限界を見にいくようなレースもしなくちゃなと思っています」

大学ラストイヤーとなる1年。攻め抜く覚悟に満ちている。【藤塚大輔】