女子100メートル障害決勝は、4位までが12秒台の激しいレースとなった。1位の寺田明日香(33=ジャパンクリエイト)と2位の青木益未はわずか0秒007差。日本選手権で12秒台の決着も初めてだった。

前半は寺田がわずかにリードしたが、福部や青木、田中が追いかける。それでも、最後まで逃げ切った寺田が12秒95(向かい風1・2メートル)を記録し優勝した。

レース後は電光掲示板に判定中の記録が映し出され、いったんは4位の福部がトップと表示された。「視界(前方)には誰も映ってなかったけど」と思いつつ、寺田は「やられたか」と落胆。ただ、その後は正しい着順が表示され「選手はショックを受けるので、しっかり見て判断してほしい」。やんわり苦言を呈しながらも「競った中で勝ちきれたのは良かった」とはじけるような笑顔で答えた。

福部は世界選手権の参加標準をすでに切っていたが、12秒99で4位。3位以内に入れば世界選手権代表内定だったが、0秒03差で逃した。「(ゴールが)すごく遠く感じた」。レース後には大粒の涙をこぼし「うれしさより、緊張が解けてホッとしたら涙が出た」。極度の緊張状態にあったと説明し「今までで一番ぐちゃぐちゃなレースだった」と悔いた。【竹本穂乃加】