県勢男子初の東北王者だ! 青森山田・伊藤吏央(りお、3年)が男子800メートルで自己ベストの1分51秒49をマークして優勝。最後の直線で先頭に立ち、そのまま後続を振り切った。

   ◇   ◇   ◇

力強い走りで下馬評を覆した。伊藤の今大会の目標は「東北大会上位入賞」。「増子(風希)は1分52秒0台、松本(樹伊、いずれも福島・学法石川3年)も1分51秒7台のタイムを持っていて、自分は1分52秒66。及ばないかなと少し思っていた」。ライバルのタイムに弱気だったが、それとは裏腹にレース展開は思い通り。「自分は引っ張るのがあまり得意じゃない。でも、ついていく走りなら自分の持ち味が出せると思った」。最初の400メートルで3番手につけ、ラスト1周では、鐘を合図に飛び出したいわき秀英(福島)・大石崇貴(3年)にぴったりマークし、持ち味のラストスパートの機会をうかがった。残り150メートルを過ぎてからギアを上げ、残り80メートルでついに先頭に立つと、力強く腕を振ってどんどんと加速。胸を思い切り突き出してフィニッシュラインに飛び込んだ。

昨年までは1500メートルも走っていた伊藤だが、今年からは800メートルに専念。そのかいもあり、誰よりも速いタイムで優勝した。伊藤は、「優勝はちょっと想定していなかったです」と苦笑しながらも、「自信になりました。インターハイでしっかり戦ってきたい」と胸を張った。

インターハイの目標は「決勝での上位入賞」。伊藤は「自分で引っ張って、ラストでもう1段階上げる展開でなければインターハイでは戦えない」と分析し、「しっかり対応したい」と気を引き締めた。武器を増やし、全国で戦える選手になる。【濱本神威】

▽盛岡四・菊池晴太(1年、男子800メートルで自己ベストの1分51秒95で2位) 試合が始まる前はインターハイ出場が目標だったが、自分が思っていた順位、タイムよりも良かった。

○…男子400メートル障害 九里学園(山形)の後藤理久(3年)が、自己ベスト52秒91を、準決勝52秒79、決勝で51秒95と立て続けに更新し、東北の頂点に立った。昨年、一昨年は1つ上の先輩・紺野稜真(筑波大1年)が優勝。後藤は「九里学園で3連覇することができた」と笑顔を見せた。しかし「稜真(紺野)先輩は50秒45という記録で、すごく差を感じている。これで満足せずに先輩を超える気持ちで頑張っていきたい」と先を見据えた。全国の舞台で、偉大な先輩を超えてみせる。