陸上の世界選手権(19日開幕、ブダペスト)に出場する日本選手団が12日、羽田空港からの出国前に取材に応じた。

男子100メートルと400メートルリレーに出場予定の坂井隆一郎(25=大阪ガス)は、「家出る時ぐらいに、ちょっと緊張してきて。だいぶ早いんですけど、レースの事を考えちゃってるな」と照れ笑いした。自身への期待もあるが、6月の日本選手権後にアキレス腱(けん)痛で練習を詰めなかった期間の不安もあり、気持ちが入り交じったという。

ただ、自己ベストの10秒02を超える9秒台への見通しを聞かれると、「条件次第では出るんじゃないか。世界選手権で出せれば一番いいんじゃないかとずっと思ってます」と秘めた思いも明かした。昨年11月に結婚した妻も現地に応援に来るそうで、「『リラックスして走ってきて』と言ってくれたので、本当に気持ち的には支えられてるなと」と力に変える。

3000メートル障害の日本記録保持者の三浦龍司(21=順大)は、予選敗退となった昨年に続く世界舞台になる。「決勝に残って終わりではなく、入賞、表彰台を目指したい」と力を込めた。直近は高地合宿を2週間行ってきたそうで、「平地に帰ってきて動かしても、ゆとりがあるなと思います。それがあっちに行って、効果が継続してたら、いい影響及ぼしてくれるんじゃないか」と願った。

400メートルと1600メートルリレー代表の中島佑気ジョセフ(21=東洋大)は、先月のスペインの大会で自己記録の45秒12を記録した勢いがある。「めちゃくちゃ、ワクワクしてる。楽しみですね。今まで自分がやってきたことを、失敗含めて、全部総括して、今までで最高のパフォーマンスを」と声を弾ませた。

欧州では4試合に出場し、1人でのレース参加も経験した。悪天候の際に柔軟に体操する海外勢の姿なども目にし、「すごく良い経験になった」と収穫とした。昨年大会では初出場ながら1600メートルリレーでアンカーを務めた。結果は惜しくも4位。「今年もアンカーで! 去年目の前で(メダルを)逃してしまった、っていうところがあるんで」と雪辱を誓った。