メダルが期待される21年東京五輪代表の泉谷駿介(23=住友電工)は、2組2着で順当に2大会連続の準決勝進出を決めた。スタートから飛び出すと落ち着いてピッチを刻んだ。最後はベロシアン(フランス)に0秒02差でかわされたが、13秒33(追い風0・5メートル)のまずまずのタイムで予選を突破。

同種目日本勢初の決勝進出へ好発進した日本のエースは「バランスが悪いレースになったので、準決勝はそこを修正して臨みたい」と冷静にレースを振り返った。

6月の日本選手権で13秒04の日本新記録を樹立して優勝。この記録は21年東京五輪金メダル、22年世界選手権銀メダルに相当するタイムで、今大会での表彰台の期待が一気に高まった。さらに世界最高峰シリーズ・ダイヤモンドリーグ(DL)ローザンヌ大会でもDL初出場初優勝を飾った。表彰台ラインの13秒0台は今季3度マーク。今大会前に泉谷自身も「さすがに決勝はいなかいとやばい」と話していた。

21年東京五輪では金井大旺とともに日本勢57年ぶりの準決勝進出を果たしたが、わずか0秒03差で決勝進出を逃している。世界選手権2度目の準決勝を前に泉谷は「決勝に進出してメダルを狙えるようだったら狙いたい」と、静かな闘志を燃やしていた。