【ブダペスト(ハンガリー)=藤塚大輔】日本選手権王者の赤松諒一(28=アワーズ)が、2メートル25で8位入賞を果たした。

昨夏の世界選手権(米オレゴン州)での真野友博(九電工)に続き、日本勢では2大会連続の8位入賞。初出場となった前回大会は予選敗退したが、今夏はその雪辱を果たした。

「(2メートル)29を跳べなくて、本当に今、悔しいと思えているので。去年とかだったら、25をクリアできていてうれしいと思えていたはず。29で悔しいと思えているのは成長かなと思います」と1年の進歩をかみしめた。

今季は2月のアジア室内選手権で、昨夏の世界選手権銀メダリストのウ・サンヒョク(韓国)を抑え、金メダルを獲得。その後もコンスタントに結果を残し、世界ランキングで2度目の出場権をつかんだ。

20日の予選では2メートル28までの試技全5本を一発クリア。この日の決勝でも2メートル25までを1回目の試技で決め、予選から7本連続で成功させた。

ただ、2メートル29の試技では踏切や助走がかみあわず、失敗が続いた。「そういうところで力まずに、助走からの踏み切りを一貫してできるようにしないと、こういう大会では勝ち残っていけない」と課題も感じた。

今大会で8位以内に入り、かつ日本人最上位につけたため、来年1月1日から6月30日までの間にワールドランキング対象競技会で参加標準記録(2メートル33)を突破した時点で五輪代表に内定する。初の五輪代表へ「技術的なところもそうですけど、雰囲気には慣れることができた。次のパリ五輪では決勝へ進出して、気負わずに狙っていきたい」と誓いを立てた。

赤松はアワーズ株式会社でシステムエンジニアとして勤務。さらに岐阜大で医学部整形外科の研究生も兼ねており、走り高跳びとの“三刀流ジャンパー”としても知られている。

世界舞台で入賞入りし、感謝の思いも言葉になった。

「応援してもらっていると自分では感じているので、その分、恩返しができたかなと思っています」

次はパリの舞台で、大ジャンプを跳んでみせる。