97年のアテネ大会から22年オレゴン大会まで13大会連続でTBS「世界陸上」のメインキャスターを務めたフリーアナウンサー中井美穂(58)が、最終投てきで金メダルを獲得した北口榛花(25=JAL)の偉業を、これまでの取材の思い出を振り返りながら、祝福した。

「北口選手は昨年、日本人として初めて銅メダルを取って、今シーズンはランキング1位で大会を迎えました。もちろん金メダルを狙える状況でしたが、投てき競技は一発があるので、見逃せないものがありました。見ていると、北口選手はすごく整っていました。やっぱり2019年(平31)にコーチのデービット・セケラックさんとの出会いがあって、日本を飛び出して、チェコで暮らしてトレーニングしたのが大きい。チェコ語も勉強されていて、段々、投げている感じが日本人選手というよりも外国人選手のように見えてきていました。予選に登場した時も、たたずまいが違いました。今まで、ハンマー投げ男子の室伏広治さん以外に、ランキング1位で大会に入る日本はほとんどいませんでした。北口選手は余裕があるし、世界中の選手から名前も知られていて、場慣れした感じでした。コーチと出会って、海外で技を磨いていても、素顔のキャラクターは変わらない。うれしい時はうれしい、涙を止められない時は止められないっていう、喜怒哀楽の激しさも応援のしがいがあります。すごくかわいらしい部分があって、うれしくてピョンピョン跳ねちゃう姿とか悔し泣きが止まらないところとか、コーチともケンカしちゃうところとか素直でまっすぐ競技と向き合っている姿は本当にまぶしいです。これからもずっと世界で戦って行けるアスリート、来年のパリ五輪も楽しみです」