マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)と同会場で行われた視覚障がい(T12)女子ハーフマラソンで、21年東京パラリンピック金メダリストの道下美里(46=三井住友海上)が、1時間24分48秒の世界記録を樹立した。従来の世界記録は1時間25分59秒。

前半から世界記録を意識して1キロ4分10秒ペースで前半からペースを刻み、「体も温まって、動きがよくなった」という5キロ以降にペースを上げた。「(ガイドランナー=伴走者)志田(淳)さんに、5キロ通過した時点で“予定通り、じょじょに上げて行こうと声をかけてもらって気持ちも切り替えた」(道下)。

昨年の大会では世界記録を2分以上も更新する1時間23分34秒のタイムでトップでゴールしたが、伴走者の志田さんが先にゴールラインを超えたたため失格になった苦い経験がある。「やり場のない悔しさで、次はないと思っていたのに、道下さんに声をかけてもらって感謝しかありません」と志田さん。道下も「志田さんと一緒に世界記録を出せてホッとしている。一緒にゴールできたことは次につながる」と喜んだ。