陸上のパリオリンピック(五輪)代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で五輪切符をつかんだ女子2位の一山麻緒(26=資生堂)が、重圧から解放された心境を口にした。大会から一夜明けた16日、都内で取材対応。21年東京五輪8位入賞の実力者は2大会連続の五輪舞台を決め「スタートラインに立てるのは大きな1歩」とかみしめた。

「MGCまでは毎日、毎日MGCのことを考えたくなくても、頭から離れなくて」。心労が耐えない中で迎えた今大会は、2時間24分43秒で3位の細田あい(エディオン)を7秒差で上回った。今は重圧から「解放されたい」と正直に明かし「楽しいことをしたい」と笑顔をみせた。

今後は海外勢との勝負となるが、9月のベルリンマラソンでは2時間11分53秒の世界新記録も誕生。世界ではレベルが上昇している。一山は「本当に信じられない記録が出ていて、私はまだまだ」と受け止める。20年3月に名古屋ウィメンズマラソンでマークした2時間20分29秒の自己記録を3年半にわたって更新できていない現状を踏まえ「すぐに世界との差を縮めるのは簡単ではないが、まずは自分に集中して、自分の記録を塗り替えていきたい」と誓いを立てた。

パリ五輪の女子マラソンは8月11日開催。10カ月後の大一番へ向け、11月26日の全日本実業団対抗女子駅伝競走大会(クイーンズ駅伝)などにも出場した上で「春にはもう1本走りたい」と見通した。