男女の仙台育英が9年連続のアベックVで、全国高校駅伝(12月24日、京都)出場を決めた。女子は1時間7分49秒で32連覇。昨年の都大路準優勝メンバーの1区・細川あおい(2年)が、19分7秒で走り、4年ぶり開催の栗原ハーフマラソン公認コースで区間新記録をマーク。男子は体調不良者が出て万全のメンバー構成ではなかったが、2時間5分58秒で9連覇を達成した。

   ◇   ◇   ◇

女子の仙台育英は1区・細川がぶっちぎった。スタートから30秒足らずで独走。後続に付け入る隙を与えず、19分7秒の区間新で6キロを駆け抜けた。釜石慶太監督(36)が提示したタイムは19分40秒だったが、それよりも5秒速く自身で設定。「自分の目標よりもだいぶ大幅に更新し、予想よりも良いタイムで走れて、びっくりしてるんですけど、すごい自信につながった」。同校の2年生エースとして19年に小海遥(現第一生命)がマークした19分21秒を塗り替えた。

昨年の全国高校駅伝では苦い記憶がある。1年生アンカーを務め、トップでタスキを受け取るも、中盤に逆転されて準優勝。「去年の悔しさをしっかり忘れずに持ち続け、今年は自分の力で優勝できるように」と主力の自覚を胸に練習に打ち込んだ。日頃から「ここで離れたら、また負けてしまう」とレースでの競り合いを想定し、レベルアップを図った。

都大路では2年ぶりの優勝を目指す。今年は絶対的エースが不在も、この日出場しなかった選手を含めて個々の能力は高い。釜石監督は快走した細川を「すごい立派。強くなりました」と評価した上で、目標の1時間7分台をクリアしたチーム力にも手応えを示す。

「弱い弱いと言い続けてきたチームが、やっと頂上が見えて、(全国高校駅伝優勝候補の)強い立命館宇治さんの背中も見えてきた感じがする。ここから頂上までの道がすごい険しいので、気を引き締めて、残り2カ月準備したい」

師走の都大路で笑うために総仕上げに入る。【山田愛斗】

 

○…1区大浜逞真(3年)が、安定したレースメークで仙台育英に流れを呼び込んだ。1キロ通過手前で早くも独走状態に入ると、2~7キロまで1キロ2分55秒前後のペースを維持。7~9キロはややペースが落ちたが、しっかりとラストスパートで取り返し、4年ぶり開催の同コースの区間新記録となる29分15秒をマーク。19年にOBの喜早駿介(東海大4年)がマークした29分44秒を29秒更新した。大浜は「個人的に28分台を目指していたので悔しさはある。チームとしては万全のオーダーではない中で、しっかり都大路の権利を獲得できてよかった」と振り返った。