男子は中郷が1時間1分20秒で初優勝した。上越地区からは00年の村立妙高以来、23年ぶりの県制覇になった。2位でたすきを受けたアンカー6区の岡田幸輝(3年)が区間トップの走りで逆転した。中郷は全国中学駅伝(12月17日、滋賀)に出場する。

 

右手の人さし指で天を差し、岡田がテープを切った。同時に「やった!」と大声で叫ぶ。トラック脇には男泣きする関原駿監督(39)とチームメート。それぞれ、ハグをすると全員、涙が止まらなくなった。

最終6区、岡田は首位の十日町南から19秒差の2位でタスキを受ける。「行けると思った」。残り1キロ付近で首位を奪うと9分40秒の区間1位でゴールまで駆け抜けた。1区から5区まで4位以内につけ、最後に先頭に立った。「子どもたちがすてきな走りと、落ちついた展開で頑張ってくれた」。関原監督は目を潤ませて言った。

メンバー6人のうち陸上部員は3区の山崎玲士主将(3年)だけ。岡田と2区の宮尾大稀(3年)、4区の相浦友哉(2年)はスキー部。1区の杉山丈慈(3年)は6月まで軟式野球部で、5区の川久保駿(3年)は少年硬式野球の上越シニアに所属。それでも結束は固い。9月に全員で髪形を丸刈りにした。「気合を入れるため」と山崎主将。大会に出た時は最後まで残ってごみ拾いをするなど、自分たちを律しながら心の隙をなくしてきた。

関原監督は99年に村立妙高のメンバーとして全国大会に出場した。その時の順位は33位。「まず私の順位を超えてもらいたい」と目標を定めた。「中郷らしくフレッシュに走る」。山崎主将は初の全国に気持ちを向けた。【斎藤慎一郎】

 

【男子区間賞】

▼第1区(3・3キロ) 小林美波(川西)10分28秒

▼第2区(3キロ) 波形泰良(十日町中条)9分35秒

▼第3区(3キロ) 小海楽空(十日町吉田)9分9秒

▼第4区(3キロ) 宮山侑真(柏崎一)9分51秒

▼第5区(3キロ) 中林力輝(新津一)10分23秒

▼第6区(3キロ) 岡田幸輝(中郷)9分40秒