廣中璃梨佳(23=JP日本郵政G)のパリ五輪内定はお預けになった。30分55秒30で3連覇を飾ったが、参加標準記録の30分40秒00を切ることはできなかった。他種目の日本選手権は6月に行われていたが、1万メートルだけは記録が出やすい冬場の開催で行われた。

「自分の中で(参加標準を)狙いたいという気持ちはあったんですけど、そこをすごい思いすぎて気負ってしまって最初から突っ込んで、後半5000メートル垂れるというようなレースはしたくなかった」。

序盤から先頭集団でレースを展開。中盤以降は5人に絞られる中で、事前に決めていた5000メートルを過ぎて先頭に。単独走で1人でペースを上げていかなければいけない展開で、思うように伸ばせなかった。「ペースメークしてくださった方たちや周りの強い選手に力を借りながらと。後半どのくらい勝負できるのかといった面ではあったんですけど、それは実現できなかった。今後の課題です」。6000メートル過ぎでペースを上げた後方集団に吸収されたが、ラスト1周を切ってスパートをかけて抜け出して、女王の座は守った。

8月の世界選手権(ブダペスト)で1万メートル7位入賞。10月の杭州アジア大会では5000メートル、1万メートルの2種目で銀メダルを獲得した。調整の一環で臨んだ今月2日の日体大長距離競技会では5000メートルに出場し、シーズンベストの15分7秒43で3着。このレースを目標に調整を行っていた。