日本プロスポーツ大賞の授賞式典が21日、都内で行われ、陸上の世界選手権で金メダルを獲得した女子やり投げの北口榛花(25=JAL)が殊勲賞とNHK賞をダブル受賞した。

今季は世界選手権で日本女子のフィールド種目初の金メダルを獲得。メダル圏外で迎えた最終6投目でビッグスローを決め、大逆転で頂点を射止めた。「6投目は負けたくない気持ちと、自分のやりたいように投げようと思って投げました」と笑顔で振り返った。

9月には世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)ファイナルで日本勢初Vを達成。今季は日本記録(67メートル38)も更新し「魔法がかかっているよう」と笑みを弾けさせた。

メディア出演も急増し「自分がテレビに映っているのが信じられない。同じ人なのかなって思うくらい、自分でもビックリする」と変化を実感。地元・北海道へ帰省した際は2日間で4つの放送局の番組に生出演したが「スタジオの位置が全然分からないんです。着いてから『ここ、前も来たな』と分かるくらい」と初々しく明かした。特に印象に残った出演番組には日本テレビ系「しゃべくり007」を挙げ、「芸人さんが回す姿を見て『あ、プロだ』って思いました」と感激した様子で振り返った。

来夏のパリ五輪は、金メダル候補筆頭の立場で迎える。「五輪でも金という気持ちは強いですが、五輪は4年に1度という、アスリートにとって特別な舞台。世界選手権とは一味違うと思います。しっかり準備をして、特別な思いをもって臨めたら」と明るい声色で思い描いた。【藤塚大輔】