3区(21・4キロ)で逆転劇が起きた。首位の駒澤大(駒大)と22秒差の2位でたすきを受けた青山学院大(青学大)の太田蒼生(3年=大牟田)が、学生NO・1の佐藤圭汰(2年=洛南)を抜き、区間賞で首位に立った。59分47秒。日本人で初めて1時間切りを成し遂げた。

戸塚中継所で22秒差あった中、箱根に懸ける男が序盤から快走した。7キロ過ぎに追いつく。後ろへピッタリついて休んで体力を整えつつ、佐藤もストライドが大きい好走のため、一気といかず背走。好機をうかがいながら5キロ超、その状態を続けた後、出た。

▼13・91キロ(1)太田-(2)佐藤 太田が佐藤を抜いた。トラックとは単純比較できないものの、学生最高の1万メートル自己ベスト27分28秒50を誇る佐藤に対して、太田は28分20秒63。1分弱、下回る太田がロードで力を見せた。

▼15・15キロ(1)佐藤-(2)太田 再び佐藤が抜き返す。太田に先を任せ、背後で休むように後ろでリズムを整えた。

▼16・58キロ(1)太田-(2)佐藤 太田が再び抜き返す。

▼17・90キロ(1)佐藤-(2)太田 佐藤が再び前に出る。1500メートル、3000メートル、1万メートルの20歳以下日本記録を持つ佐藤がプライドを示した。

▼18・25キロ(1)太田-(2)佐藤 サングラスを初めて取った太田がスパート。ついに突き放す。原晋監督からも、好ペース評価と「蒼生!蒼生!蒼生!」の鼓舞があった。

そのまま太田が首位で平塚中継所へ駆け込んだ。59分47秒(速報値)。日本人選手で初めて1時間を切った。

「(プランは)前半で追いついて湘南海岸で追いつこうかなと。結構、競り合いになって後半12キロ以降、しんどいな、と思ったんですけど、絶対に1位でたすきを渡したいと思っていたので。(首位の景色は)美しかったです。(日本人初1時間切りは)1つの目標ラインだったので、切れて収穫だったなと思います。優勝を全員で狙っているので、駒沢1強を逆転したい」

太田は1年時の22年も3区で逆転劇を演じた。首位の駒大と1分3秒差の2位で出ながら驚異的なスパートを発揮し、優勝に貢献するトップに立っていた。今年も再現なるか残り2区間が注目される。

初の箱根路となった佐藤の1時間0分13秒も、立派だった。この3区で丹所健(東京国際大)が打ち立てた日本人最高記録1時間0分55秒(22年)を上回る好記録だっただけに、歴史的なデッドヒートとなった。

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