21年東京オリンピック(五輪)代表の前田穂南(27=天満屋)が2時間18分59秒をマークし、日本記録を19年ぶりに更新した。野口みずき氏が05年に記録した2時間19分12秒を上回った。

日本人トップの2位でフィニッシュした後、さまざまな思いが交錯した表情でインタビューに応じ「まず、去年のMGCで悔しい思いをしたので、今回の大阪にしっかり合わせてきて力を出し切ることができました。続けて万感の思いで言った。

「日本新記録更新を狙っていたので、すごくうれしいです、後半、すごく風が吹いてきて、雨も降ってきて、どうなるか分からなかったんですが、沿道の皆さんから応援が聞こえてきて、力を出し切ることができました。(大会前に繰り返した『アレ』とは何か問われ)日本新記録更新です」

序盤は3分20秒を切るハイペースでレースが展開された。およそ4・5キロ地点で、先頭集団で走る日本勢は松田瑞生(ダイハツ)佐藤早也伽(積水化学)前田穂南(天満屋)の3人に絞り込まれた。

ただ、21キロを過ぎてペースを上げて前田がペースメーカーの前に出ると、集団を抜け出して独走。約27キロでも再びペースアップし、従来の日本記録を上回るペースで首位をキープした。

31キロ付近でウォルケネシュ・エデサ(エチオピア)に抜かれたが、力強い走りで日本人首位となった。

今大会か3月の名古屋ウィメンズで日本陸連の設定タイム2時間21分41秒を突破した最速選手が、パリ五輪代表の残り1枠に選ばれることになっており、前田が2大会連続五輪切符への資格を手にした。

「まだ分かりませんが、今の力は出し切ることができたので、すごくうれしいです。またしっかりマラソンで走ることができて、パリでしっかり世界と勝負したいと思います」

解説の野口みずき氏からも「もう少しで私の記録も成人式だったんですけど(笑い)」とねぎらわれた。

国内レースでの日本人最高タイム(2時間20分29秒)も塗り替えた。野口氏はベルリンマラソンで当時の記録を樹立していた。

【大阪国際女子マラソン】パリ五輪残り1枠かけた戦い/ライブ速報