大阪国際女子マラソンが行われ、エデサ(31=エチオピア)が大会新の2時間18分51秒で優勝を果たした。21年東京オリンピック(五輪)代表の前田穂南(27=天満屋)が2時間18分59秒の日本最高記録をマークし、日本人トップとなる2位でフィニッシュした。日本記録は、野口みずき氏が05年に記録した2時間19分12秒で19年ぶりの更新となった。今大会か3月の名古屋ウィメンズで日本陸連の設定タイム2時間21分41秒を突破した最速選手が、パリ五輪代表の残り1枠に選ばれることになっており、前田が2大会連続五輪切符への資格を手にした。
■■ 最終順位(タイムは速報値) ■■
(1)エデサ 2時間18分51秒※
(2)前田 穂南 2時間18分59秒※
(3)松田 瑞生 2時間23分07秒
(4)チェサン 2時間23分36秒
(5)佐藤早也伽 2時間24分43秒
※エデサは大会新記録。前田穂南は日本新記録
◆レース経過 ※タイムは速報値
◆スタート 午後0時15分に号砲。曇り、気温9・3度、湿度51%、南西の風0・5メートル。ヤンマースタジアム長居を2周と5分の1回ってから昭和町方面の一般道を北上する。先頭集団は7人、佐藤早也伽、松田瑞生ら。
◆1キロ スタジアムを出て3分23秒で通過。
◆2キロ 佐藤早也伽、松田瑞生らがペースメーカーにぴったりと付ける
◆3・6キロ 先頭集団6人があびこ筋を北上、日差しが出てくる
◆4キロ この1キロは3分18秒ペース。先頭集団から竹山楓菜が遅れる
◆5キロ 16分32秒で通過、2時間20分を切れるペース。先頭集団はエデサ、松田瑞生、前田穂南、チェサン、佐藤早也伽の5人。松田瑞生はしっかり給水を取る
◆8キロ 松田瑞生はペースメーカーの横を前を見て走る
◆10キロ 32分59秒で通過、2時間19分台が狙える好ペース。今里筋を北上、先頭集団は5人で変わらない。各選手がしっかり給水。340メートルほど離れた第2集団に松下菜摘ら
◆13キロ この1キロは3分18秒ペース。レースは玉造筋を北上。横長に展開する先頭集団が前を見据える
◆15キロ 49分33秒で通過、先頭集団5人で大阪城へ向かう。前田穂南が給水に失敗
◆17キロ 先頭集団5人のペースは変わらず大阪城に。第2集団は松下菜摘ら6人に
◆20キロ 1時間6分08秒で通過、15~20キロを16分35秒と好ペース。大阪城を抜け長堀通りに
◆中間点 1時間9分46秒で通過、2時間19分台のペース。前田穂南がペースメーカーを抜き去り前に出る
◆21・5キロ 松田瑞生が少し遅れる
◆22キロ 前田穂南が先頭。この1キロは3分11秒とペースを上げる
◆24キロ 御堂筋を北上。前田穂南が先頭、その後ろにエデサ、チェサン、佐藤早也伽、さらに後方に松田瑞生が続く
◆25キロ 前田穂南が1時間22分26秒で通過、日本記録ペース。2位集団にエデサ、チェサン、佐藤早也伽。5位を走る松田瑞生は前田と100メートルほどの差に
◆27キロ 前田穂南がペースを上げ近づいてきた2位集団を引き離す
◆28キロ エデサが2位集団から1人抜け出し前田穂南を追う
◆29キロ 佐藤早也伽が2位集団から遅れ始める。雨が降り始めた
◆30キロ 前田穂南が1時間38分36秒で通過、2時間18分台が狙える日本記録ペースを保つ。5秒差でエデサが迫る。25秒差の4位に佐藤早也伽、5位の松田瑞生は1分31秒差。前田が2度目の給水失敗
◆31・2キロ エデサが前田穂南を抜き首位浮上
◆33キロ エデサを追う前田穂南が粘りの走り、日本人2位の佐藤早也伽は前田と50秒ほどの差
◆35キロ エデサが1時間54分46秒で通過、11秒遅れで前田穂南が続く。前田は日本記録が狙えるペースを保つ。佐藤早也伽はエデサと1分41秒差の4位。松田瑞生は2分59秒差となった
◆37キロ 残り5キロ。前田穂南がエデサとの差を6秒ほどに詰める。エデサはしきりに後方を確認する
◆38キロ 残り4キロ。前田穂南のこの1キロは3分26秒、離されず60メートルほどの差でエデサを追う
◆39キロ 残り3キロの正念場、前田穂南に沿道から声援。この1キロは3分22秒
◆40キロ エデサが2時間11分34秒で通過、8秒差で続く前田穂南がスペシャルドリンクを飲んで残り2キロを駆ける
◆41キロ エデサがトップでヤンマースタジアム長居に戻ってきた、前田穂南も続く
◆フィニッシュ エデサが2時間18分51秒の大会新記録で優勝。前田穂南は2時間18分58秒の日本記録!日本人トップの2位でパリ五輪代表への権利を手にした
◆女子マラソン日本歴代5傑◆
順 | 選手名 | タイム | コース |
---|---|---|---|
1 | 野口みずき | 2時間19分12秒 | 05年ベルリン |
2 | 新谷 仁美 | 2時間19分24秒 | 23年ヒューストン |
3 | 渋井 陽子 | 2時間19分41秒 | 04年ベルリン |
4 | 高橋 尚子 | 2時間19分46秒 | 01年ベルリン |
5 | 一山 麻緒 | 2時間20分29秒 | 20年名古屋ウィメンズ |
◆招待選手◆
選手名 | タイム | コース |
---|---|---|
ウォルケネシュ・エデサ | 2時間18分51秒 | 22年ベルリン |
ステラ・チェサン | 2時間20分23秒 | 23年ハンブルグ |
シセイ・メセレット・ゴラ | 2時間20分50秒 | 22年セビリア |
松田 瑞生 | 2時間20分52秒 | 22年大阪国際 |
佐藤早也伽 | 2時間22分13秒 | 22年ベルリン |
前田 穂南 | 2時間22分32秒 | 23年名古屋ウィメンズ |
松下 菜摘 | 2時間23分05秒 | 22年大阪国際 |
川内 理江 | 2時間25分35秒 | 22年大阪国際 |
大東 優奈 | 2時間26分09秒 | 23年大阪国際 |
竹山 楓菜 | 2時間29分20秒 | 23年大阪国際 |
※シセイ・メセレット・ゴラは欠場
■大阪国際女子マラソン展望 今大会か3月の名古屋ウィメンズで日本陸連の設定タイム2時間21分41秒を突破した最速選手が、パリ五輪代表の残り1枠に選ばれる。昨夏の世界選手権に出場した松田瑞生(ダイハツ)佐藤早也伽(積水化学)、東京五輪代表の前田穂南(天満屋)らの争いになりそうだ。
松田はこのコースで過去3戦3勝と相性抜群。22年大会は2時間20分52秒の大会記録で制した。昨年10月のMGCは右脛骨(けいこつ)骨膜炎のため欠場し、回復に努めてきた。持ち味の力強さを発揮できれば、気象条件次第では国内レースで日本勢初の2時間20分切りも見えてくる。
東京五輪で力を出し切れなかった前田は、昨年の名古屋ウィメンズで自己ベストの2時間22分32秒をマークするなど持ち直した。7位にとどまった昨年10月のMGCから約3カ月半の調整が問われる。
自己記録が2時間22分13秒の佐藤は前回、レース途中で他選手と接触して転び、途中棄権。終盤まで粘ってトラック種目で鍛えたスピードを生かしたい。MGCで5位に入った松下菜摘(天満屋)も力がある。
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■パリ五輪女子マラソン代表争い■
枠は3。昨秋のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)1位の鈴木優花と2位の一山麻緒は出場が決定。残り1枠は、今回の大阪国際女子と3月の名古屋ウィメンズで設定記録(2時間21分41秒)を突破した記録最上位の1名に決まる。該当選手がいない場合は、MGC3位の細田あいが内定となる。