21年東京五輪8位入賞の田中希実(24=ニューバランス)は「つかみどころのない壁に当たっている」と悩める心境を吐露した。
中盤から先頭に立ち、残り1周からスパートをかけたが、最後の200メートルで外国勢3人に一気に抜かれて4位。タイムも4分7秒39で、自己ベストの3分59秒19より8秒以上遅く、パリ五輪参加標準記録の4分2秒50を突破できなかった。
「レースを楽しむことができなかった。自分の走りをレースでどう表現すればいいのかつかめていない。ラストに余力がないのが最大の原因。コンディションは悪くないし、東京(五輪)よりいい練習は積めているし4分を切れる感覚はある。原因はよくわからない」と、苦悩の表情でレースを振り返った。
東京五輪以降、この種目の世界のレベルも上がっている。この日も同じ3分台の自己記録を持つサラ・ビリングス(26)とジョージア・グリフィス(28)のオーストラリア勢がワンツーフィニッシュ。「オーストラリアは4分を切る選手が5人もいる。今の自分では世界で争いたいと言える立場にない」と田中は危機感を強めている。
パリ五輪は昨年の世界選手権で8位入賞した5000メートルを含めた2種目で出場を目指している。「人によっては限界と感じてしまうようなつかみどころのない壁に当たっている。(日本選手権は)3種目に出場するか、5000メートルと1500メートルに絞らなければならないのか、今はまだ見えていない」。五輪開幕まで2カ月。田中は“見えない壁”との戦いにもがいていた。【首藤正徳】

