3月に青学大を卒業した若林宏樹(22)がラストランをかみしめた。

30分20秒38で最下位の19位。4月から一般就職した大手生命保険会社の日本生命のユニホームで完走し「走り切れて良かった」とほほ笑んだ。

陸上人生の原点を思い返しながら走った。この会場は中学3年で出場した全国中学校体育大会3000メートルで10位となった場所。「陸上を志した大きな分岐点だった」と記憶がよみがえった。

その後は競技にまい進。大学では箱根駅伝で山登りの5区を3度走り、今年は区間新記録で2連覇に貢献した。2月の別府大分毎日マラソンでも2時間6分7秒で日本人トップの2位。世界選手権の参加標準記録も突破してみせた。

競技継続を望む声もあったが「新しい世界で頑張りたい」とかねて決めていた就職の道へ。「大きな舞台に立つのは最後」とあらためて断言した。

研修期間と重なり、集大成となるこの日のレースへ迎えるまでは十分に練習が積めなかった。先頭と2周分も周回遅れとなった。それでも気温16度の空から冷たい雨が降る中、客席からの拍手は最後まで鳴りやまなかった。

「幸せ者だと思う。(競技の)スタートとゴールがここで本当に良かった。世界で戦うための舞台に立てたのは、真剣に10年間陸上競技に取り組んだ成果かな」

これからはサラリーマンとして汗をかく。週明けの14日には、損保に関する試験も控えており「しっかりと勉強してできるだけ良い点数を取りたい。それが今の目標」と笑った。

「保険会社なので、1人1人しっかりとサポートして、生活を支える柱になれるように頑張っていきたい。競技以上の熱意で業務に取り組みたいです」

雨にぬれた表情は、最後まで穏やかだった。【藤塚大輔】

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