<陸上:静岡国際>◇3日◇静岡・小笠山総合運動公園エコパスタジアム

 男子400メートル障害で世界選手権2度銅メダルの為末大(33=A-meme)が、再び世界への足がかりをつかんだ。決勝1組を走り、49秒89の好タイムで1組の中ではトップでゴール。8月の世界選手権(韓国・大邱)の参加標準B記録(49秒80)に0・09秒及ばなかったが、第1ステップとなる日本選手権(6月、埼玉・熊谷)への参加標準記録(50秒80)を突破した。

 先月の石川県での記録会を経て、本格的な大会参加は今回が初めて。スタンドの歓声が心地よかったという為末は「思ったよりいいタイム。でもまだ7、8割。ハードリングでのロスがあった」。全盛時の爆発的な瞬発力こそないが、5台目までハードル間を13歩で突き進む世界基準の走法を披露。侍ハードラー復活を高らかにアピールした。

 日本選手権切符を手にしたことで、夏の大邱行きも視野に入ってきた。為末は「全体の調子が上がれば48秒0も狙える」と手応え十分だ。33回目のバースデーも重なり「誕生日に競技をできるなんて幸せ」と笑みを浮かべた。総合順位は5位だが、ブランクを乗り越え、また確かなステップを踏んだ。【佐藤隆志】