日本陸連は12日、都内でロンドン五輪マラソン代表メンバー男女6人を発表。注目の公務員ランナー川内優輝(25=埼玉県庁)は落選した。

 五輪代表落選決定後、川内は事務員として働く埼玉・春日部高で会見に臨み「本当に応援して下さった方に申し訳ない。公正な選考がなされたと思います」と潔く話した。手を前に組み、うつむくことは1度もなかった。

 昨年12月福岡国際で2時間9分57秒で日本人最上位の3位になったが、「本番」と豪語して臨んだ今年2月東京で14位と惨敗。落選の一報は就業中に校長から聞いたが「東京でああなってしまったので…」と期待はしていなかったという。「今後もこのスタイルでどこまで行けるか」と、これからも県職員として働きながら強化を図ることも明言。「市民ランナーの練習仲間からも、2時間10分の壁を破る選手が出てくれば。刺激を受けて僕自身も上を目指したい」と話した。

 29歳で迎える4年後のリオデジャネイロ五輪については、「来年の東京でリベンジする。結果でその先の展望も見えてくる」と話すにとどまった。次は4月にデュッセルドルフ・マラソン(ドイツ)を走り、その後も市民レースに参加を続ける。最後は「ありがとうございました」と丸刈り頭を深々と下げ、会見場を後にした。【阿部健吾】