昨年の東京五輪でハンスル・パーチメントは、110メートル障害でジャマイカ人初の金メダルに輝いた。それ以上に話題になったのが、試合会場行きのバスを間違えたことだ。

到着した競泳会場で日本人ボランティアから1万円を手渡され、タクシーで国立競技場へ向かった。おかげで試合に間に合い、おまけに金メダルまで取った。後日ボランティアのもとを訪れ、借りたお金とジャマイカチームのシャツを手渡し、金メダルを見せながら感謝の言葉を伝える動画がアップされると、世間からは感動の声が相次いだ。

そんな人間性同様、競技力も申し分ない。12年ロンドン五輪でも銀メダルを手にしており、息の長い選手として32歳となる今も衰えはない。196センチの長身で、その長い手足を生かした大きなストライドで一気に加速する。五輪に続くタイトル獲得へ、持ち前の人間力でつかみにかかる。

ハンスル・パーチメント