バスケットボール男子W杯で2日、順位決定リーグO組の日本がカーボベルデを下し、24年パリ五輪出場を決めた。自力での五輪切符獲得は48年ぶりとなった。トム・ホーバス監督が指揮するチームは若手とベテランが融合。連日のように日替わりヒーローが生まれた。今大会の日本代表の奮闘について、バスケットボールコメンテーターの塚本清彦氏が語った。

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東京五輪で女子日本代表を銀メダルに導いた直後、ホーバス監督は「スーパースターはいないけどスーパーチーム」と表現した。今大会の男子日本代表も同様だった。渡辺、河村、富永、比江島、ホーキンソン…毎試合のように日替わりヒーローが飛び出した。大きな国際舞台では経験と勢いの両方が重要となる。河村や富永といった若手と、比江島、富樫、渡辺らベテラン勢が融合。試合ごとに結束が高まった。

成長が光ったのが河村だ。1次リーグのフィンランド戦では終盤に活躍して逆転勝利に貢献。年齢が近い富永と息の合ったコンビネーションを繰り出した。さらに順位決定リーグのベネズエラ戦では11アシストをマーク。この日は比江島が当たっていると察知すると、比江島の位置を意識しながらアシスト先を探していた。司令塔として、流れを読みながら最良の攻撃パターン選択。シューターが気持ち良くシュートを放てるシーンを何度も作り出した。河村のバスケIQの高さが感じられた。

Bリーグが誕生して8年目を迎える。常に結果が求められる環境でプレーすることで、選手たちのプロ意識は高まっている。大きな国際大会では強靱(きょうじん)なメンタルが求められる。五輪切符獲得に至った要因には、Bリーグの存在も挙げられる。

米国に留学中の富永は学生ではあるが、世界最高峰のNBAを目指していることもあり、自分をどう見せるかという意識をしっかり持っている。外角シュートを決めた直後のパフォーマンスは、まさにその表れだ。

ホーキンソンの奮闘も素晴らしかった。カーボベルデ戦の終盤、追い詰められても勝ち切れたのは、彼の攻守にわたる存在が大きかった。今回唯一のNBA選手となった渡辺は、八村不在のなかでチームの顔となり、すべての重圧を受け止めた。プレー面でも、実力をすべて出していた。

アジア勢最高位となり、パリ五輪出場切符を獲得した。有言実行を果たした選手たちには心から拍手を送りたい。とはいえ、2次リーグには進めず順位決定戦に回ったのが今の日本代表の現状でもある。最終順位は19位。パリ五輪に出場するのは12カ国で、W杯以上にレベルが高くなる。

パリ五輪まで残り11カ月。手にした五輪切符は有効に使わないといけない。ハワイ大に進学したジェイコブス晶や、今回は最終選考で漏れた金近、須田、そして渡辺飛勇など、有力選手はまだまだ存在する。メンバーの再選考も含め、さらなる強化が必要だ。

◆塚本清彦(つかもと・きよひこ)1961年(昭36)2月26日生まれ。兵庫県出身。育英高から明大を経て日本鋼管に入社。主にポイントガードのポジションを務め、日本リーグ優勝2度、93-94シーズンにベスト5。96年引退。明大、法大の監督を経て、現在はテレビやインターネット中継でNBAやBリーグの解説を行う。