前回に続き、米NBAキャバリアーズ「PowerHouse Dance Team」のダンサー寺田智美さんの後編です。今後の目標や、夢をつかむための秘訣(ひけつ)について聞きました。

キャプテンを務める寺田さん(左)は笑顔をみせる(C)Cleveland Cavaliers
キャプテンを務める寺田さん(左)は笑顔をみせる(C)Cleveland Cavaliers

-今後の目標について

今シーズンより、キャバリアーズのエンターテインメントチームのアシスタントコーチをしています。また、クリーブランドにあるアイスホッケーチームのダンスチームの振り付けをする機会も何度か頂きました。NBAダンサーとしての仕事以外で、Barre(バー)と呼ばれるバレエのバーを使ったエクササイズクラスのインストラクターもしています。今後は、ダンサーとしてだけでなく、「コーチング」の経験を積み、本場のスポーツエンターテインメントを、また違った立場からも学んでみたいと思っています。そしていずれは、自分が学んだことを日本のエンターテインメント業界に生かしていきたいです。

-夢をつかむための秘訣は

Xリーグ・オービックシーガルズでチアリーダーをさせていただいていた時に学んだ3原則「信じる、楽しむ、感謝する」を大切にしています。

目標が高いほど、「自分にできるのだろうか…」という心配や不安も出てきますが、とにかく自分は絶対に夢を達成できると自分自身を「信じる」こと。

目標に向かっている途中で、きついことやつらいことがあるというのは、成長できるチャンスが今まさに目の前にあるということ。そのチャンスに向き合って、少しずつ問題を解決していく。その過程を全て含めて「楽しむ」ことが大切です。

そして一番大切なことは、夢を目指すことができる環境にいることや、応援してくれる人がいることに「感謝」をする気持ち。感謝の気持ちがあるからこそ、周囲の人のためにも、努力を怠らない。そういう気持ちを持っているからこそ、ここぞという時に踏ん張れる力を持つことができるし、またそういう時に何か良い運がついてきてくれることもあります。

夢を目指す過程で、自分の力では変えられない何かが起こってしまった時は、自分の心の声に従うしかないと思っています。17年からNBAスパーズ「シルバーダンサーズ」として1シーズン活動後、チームが突然解散した時がそうでした。自分の中ではまだまだ夢半ば。これからもっと頑張るといったところで活動の場を失うことになり、今までの人生で一番つらい経験でした。それでも、1日1日を丁寧に、できることを少しずつでも毎日やりながら、どうしたら良いかを自分の心に問いかけました。その時、私は「まだダンスをしたい」という気持ちが残っていたので、NBAキャバリアーズ・キャバリアガールズ(現PowerHouse Dance Team)のオーディションを受験し、合格することができました。このような経験を経て、何事も「できるかできないか、ではなくやるかやらないか」。誰でも、覚悟を持って前進し続ければ、いずれその人にしかない特別な道が開けると思っています。