3月8日は国際女性デー(International Woman’s Day)だった。1904年ニューヨークで婦人参政権を求めたデモが起源となり、国連によって1975年3月8日が国際女性デーと定められたという歴史的背景がある。ルーツは100年以上も前ということだ。世界中で、国や民族、言語などを問わず、女性たちが達成してきた功績を祝福して、ジェンダー平等を考える日としてさまざまなイベントが行われている。


イベントに参加した左から須永美歌子先生、橋本玲子先生、入江聖奈選手、筆者
イベントに参加した左から須永美歌子先生、橋本玲子先生、入江聖奈選手、筆者

日本でも国際女性デーの存在は知られてきているように思う。2030年までのSDGs(持続可能な開発目標)においても17の目標と169のターゲットがあるが、その中の「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」は、すべてのSDGs目標の実現にはなくてはならない横串であるとも記載されている。

今年の国際女性デーのテーマは「持続可能な明日に向けて、ジェンダー平等をいま」。女性は世界の貧困層の多くを占め、気候変動のような危機の影響を受けやすいとされる。この国際女性デーは、すべての人に対する、より持続可能な未来のため、気候変動対策をリードする世界中の女性の貢献を認めるものであるものとも提示されている。

日本が「ジェンダーギャップ指数」で156カ国中先進国最下位の120位だということは有名な話になってきている。世界経済フォーラムが2021年に発表したものだ。

身近な話でいうと、企業においての女性管理職の少なさ、非正規雇用者に占める女性の割合が男性のほぼ2倍、男女の賃金格差などが指摘されている。また国会議員に関しても、昨年の衆議院選挙後で女性議員の割合は9.7%と、世界190カ国中168位の低い数字だ。

「3月8日」は地球にとって、全人類にとって、立ち止まって考えよう、アクションをしようという大切な日であると認識できるだろう。


オンラインイベントの様子
オンラインイベントの様子

もちろん今年もさまざまなイベントが行われていたが、私もあるイベントに参加した。「THE ANSWER的『国際女性ウイーク』オンラインイベント『女性アスリートのカラダの学校』」だ。去年も参加したが、今年はさらにバージョンアップしたオンラインイベントになった。

いまだオンラインもリアルもイベント自体が少ない状況だが、どうにか工夫をして、コミュニティー作りや、誰もが手にとれるコンテンツが必須であると感じている。今回も日本体育大学教授の須永美歌子先生、公認スポーツ栄養士の橋本玲子先生、元陸上日本代表の福士加代子さん、ボクシングの東京オリンピック金メダリスト入江聖奈選手とともにイベントを開催した。

須永先生には、最もコンディションの良い時期は月経周期のいつごろなのか(最も多かったのは調子がよくなるのが月経終了~数日後)、オーバートレーニングによる無月経の危険性などを講義していただいた。

橋本先生には、月経時も含め減量があるアスリートへの減量期の食事の取り方などを話してもらった。「月経(生理)」は自分でどうにかするものだった時代も相当昔の話になってきている。

このコロナ禍で情報をキャッチすることが難しくなっているし、会話や対話が少なくなってきているようにも思う。オンラインイベントなどをキャッチして、たくさんの人たちの意見に触れて、自身の健康につなげてほしいと心から思う。

これからはパーソナリティーの尊重と、自分が社会の一部であるという理解が、SDGsや国際女性デーといった社会的な課題に、より一層必要になってきそうだ。

(伊藤華英=北京、ロンドン五輪競泳代表)