藤沢秀行

本因坊戦3連覇を達成し、就位式で師匠・藤沢秀行名誉棋聖(左)に「本因坊秀紳」の名前を披露した高尾紳路本因坊
本因坊戦3連覇を達成し、就位式で師匠・藤沢秀行名誉棋聖(左)に「本因坊秀紳」の名前を披露した高尾紳路本因坊

囲碁界のレジェンド、天才、レガシー、神……どんな形容がついてもおかしくないが、「無頼派」が一番ハマる。棋聖戦6連覇など通算23タイトルを獲得した名誉棋聖・藤沢秀行。「ひでゆき」と読むが、棋士やファンは「しゅうこう先生」「しゅうこうさん」「しゅうこう」と呼ぶ。「異常感覚」とまでいわれた独創的、豪放磊落(らいらく)な打ち方は、豪快かつ華麗で多くのファンを魅了。プロアマ、中韓の若手を問わず育成に尽力した。酒、ギャンブル、女性、借金と型破りな私生活も有名だった。趙治勲、依田紀基、高尾紳路ら名だたる棋士を鍛えた。孫娘の藤沢里菜は複数のタイトルを獲得しているが、その活躍ぶりを見ずに2009年5月8日、83歳の生涯を終えた。(/_;)

<文化社会(囲碁)・2009年5月9日掲載>