高校総体が、桐生効果で異例の対策だ。28日から開幕する北部九州高校総体(大分、福岡、佐賀、長崎4県)を主催する高体連が22日、都内で会見を開き、陸上短距離に出場する超高校級の桐生祥秀(17=洛南高)への対策で頭を悩ませていることを明かした。競技場の周辺などに、選手の集合場所として、高校別のテントが張られる。観客、報道陣らが自由に行き来でき「人が押し寄せるかもしれない」と、高体連の梅村専務理事。桐生のために洛南高だけ特別扱いはできず「桐生君が集中できるかどうかが心配の種」と頭を悩ませる。

 高体連はすでに洛南高に対策を考えてほしいと連絡をしており、高体連陸上競技専門部の正川事務局長も「こんなことは初めて」と、桐生効果に驚きだ。また、5月の京都府予選、6月の近畿予選と同様に、不正スタート発見装置、超音波風向風速計などを総体史上初めて導入。9秒台の記録が出た時に、国際陸連に公認される準備態勢を取る。

 この日から、桐生は陸連の短距離合宿に都内で参加。4日間の合宿だが、この日と23日の2日で切り上げる予定だ。8月10日開幕の世界選手権(モスクワ)出場前に、自身初の高校総体タイトル奪取で勢いを付ける。【吉松忠弘】