<柔道:グランドスラム東京2011>◇最終日◇11日◇東京体育館◇男子100キロ、100キロ超級

 日本柔道の重量級が大ピンチに陥った。男子100キロ超級はベテラン鈴木桂治(31)が初戦で敗退。出場4選手全員が表彰台を逃した。100キロ級の穴井隆将(27)も準決勝敗退、重量級陣は8月のパリ世界選手権に続く惨敗を喫した。

 韓国の趙グハムに一本背負いで有効を奪われて敗れた鈴木は、遠くを見つめるように「これで(五輪は)かなり遠のいた」と言葉を振り絞った。「こんな柔道しておこがましいけど(五輪へは)行きたい」と言ったものの「これでは、出ても同じ」と下を向いた。七戸が初戦で敗れ、王子谷も2回戦敗退。唯一3回戦に進んだ石井もタングリエフに敗れ「自分も含め重量級が情けない」と話した。

 篠原監督は「情けない」「ふがいない」と繰り返した。世界選手権100キロ超級でメダルなしに終わり、4人が出場した無差別級世界選手権でも鈴木の銅メダル1つ。首脳陣は鈴木以外の世界選手権組を休ませ、若手にチャンスを与えた。結果を出せば来年早々の欧州転戦に出すつもりだったが、期待は裏切られた。

 鈴木は古傷の左ひじに左足首の故障もあって、満足な練習ができなかった。しかし、篠原監督は「やると言った以上はもっと詰めた練習をしないと。休みながらで勝てるわけがない」と突き放した。もっとも、そんな鈴木に頼らざるを得ないのも重量級の現状。ロンドン五輪メダルなしも現実味を帯びてきた。【荻島弘一】