世界5位の錦織圭(25=日清食品)は、同74位のテイムラズ・ガバシビリ(30=ロシア)をストレートで下し、日本男子で1933年に4強入りした佐藤次郎以来82年ぶりの8強入りを決めた。



錦織6-3
6-4
6-2
ガバシビリ

バックハンドが決まり、小さくガッツポーズをする錦織(AP)
バックハンドが決まり、小さくガッツポーズをする錦織(AP)

第3セット 錦織6-2ガバシビリ

第8ゲーム 6-2 15-0から錦織はダブルフォルト。15-30からサーブをコーナーに決めガバシビリのミスで30-30。バックハンドショットで決め40-30とマッチポイント。最後は錦織のサーブをガバシビリが返し切れず、ストレートで8強入りを決めた。

第7ゲーム 5-2 ガバシビリも意地を見せる。フォアアンドショットを決めるなど、先行。30-30からコート最奥へのショットで錦織のミスを誘いリード。30-40から錦織の上下左右への揺さぶりに食らいつくガバシビリだったが、粘り切れずジュース。錦織がガバシビリの裏をかくスライスショットでマッチポイント。ガバシビリがドロップショットでしのぎジュース。錦織がドロップショットでやり返し2度目のマッチポイント。ガバシビリのサーブが際どい所に決まり錦織が返し切れずまたもジュース。錦織のミスショットでガバシビリにアドバンテージ。再び錦織のショットがネットにかかりガバシビリがなんとか踏ん張りキープした。

第6ゲーム 5-1 0-15からガバシビリはバックハンドでリターンエース。しかしガバシビリのミスショットが続き40-30と錦織が優位に立つ。錦織のダブルフォルトでジュースまでもつれ込む。サービスエースで錦織がアドバンテージを取ると、バックハンドでコートの最奥に決めポイント。錦織がキープした。

第5ゲーム 4-1 錦織がリターンでも圧倒。いきなりリターンエースで0-15と先行。左右への揺さぶりでガバシビリを寄せ付けず、楽々と錦織がブレークした。

第4ゲーム 3-1 錦織はサーブで圧倒。ガバシビリのリターンミスなどでポイントを重ね、最後はサービスエースで決める圧巻の内容でキープした。

第3ゲーム 2-1 15-15から、錦織は前に詰めながらの攻撃でガバシビリにプレッシャーをかける。最後はドロップショットで崩しミスを誘った。続けて次のポイントもドロップショットで決める。15-40のブレークポイントから、錦織のリターンミスが続きジュースに。再びサーブのリターンをはずしアドバンテージ。結局ガバシビリが4連続ポイントでキープした。

第2ゲーム 2-0 15-15から、錦織は執拗に左コーナーを攻めガバシビリがしびれを切らしミス。40-15と追い込み、最後はフォアハンドショットでガバシビリの逆を突き錦織がキープした。

第1ゲーム 1-0 錦織は30-15と先行されるが、浮いたショットを落ち着いてスマッシュで返しポイント。ガバシビリのミスで30-40となり、最後もガバシビリのショットがアウトで錦織がいきなりブレークした。

小雨が降る中、錦織の応援をする観客たち(AP)
小雨が降る中、錦織の応援をする観客たち(AP)

第2セット 錦織6-4ガバシビリ

第10ゲーム 6-4 錦織がコート隅へのショットでガバシビリのミスを誘い先行。30-0から、バックハンドショットでコート奥に打ち込むとガバシビリのショットはアウトに。最後はサービスエースで決め、第2セットも錦織が奪った。

第9ゲーム 5-4 高度なラリーの応酬となり、錦織が決めにいったショットは右コーナーに向かったが、惜しくも外れる。40-0からガバシビリがドロップショットで錦織のミスを誘い、キープ。ガバシビリも意地を見せる。

第8ゲーム 5-3 錦織は0-0からダブルフォルト。0-15から、ガバシビリのリターンに対し逆を突くショットで錦織がポイント。揺さぶって錦織が30-15と先行するが、ガバシビリも前に詰めてポイントを奪うなど攻める。30-40からジュースになり、ガバシビリが完璧なバックハンドショットでライン上に決め、アドバンテージ。錦織が揺さぶり攻めたが、ガバシビリが食らいつく。最後は錦織がミスし、ガバシビリが初めてブレークした。

第7ゲーム 5-2 苦しい展開になってもガバシビリは攻めのサーブを見せる。際どい所に決め、錦織のミスを誘い40-15と先行すると、サービスエースで決めガバシビリがキープ。

第6ゲーム 5-1 15-0から、錦織のドロップショットが決まる。30-15から、錦織が厳しいコースにバックハンドショットで決めポイント。錦織のミスが続きジュースになったが、次はガバシビリのショットがアウトになり錦織にアドバンテージ。最後はガバシビリのリターンが崩れたところを見逃さず、錦織がワンハンドでガバシビリの逆を突きキープした。

 ガバシビリにとっては苦しい展開となり、コーチ横のセクシー美女もサングラス越しに顔をしかめた。

第5ゲーム 4-1 ガバシビリのミスが目立ち、30-40と錦織のブレークポイントに。ガバシビリはまたもダブルフォルトでポイントを献上。錦織があっさりとブレークに成功した。

第4ゲーム 3-1 0-0から錦織のサーブがコーナーに決まり、ガバシビリのリターンはアウト。30-0から、ガバシビリも負けじとリターンエースで反撃。30-15から、ライン上にサーブを決めポイントを奪うと、最後もガバシビリのリターンに対しバックハンドショットでストレートに決め錦織が危なげなくキープした。

第3ゲーム 2-1 30歳という年齢に加え、不戦勝のあった錦織よりも1戦多く戦っているガバシビリからはさすがに疲労が感じられる。錦織のフットワークを使った揺さぶりについていけず、ガバシビリが触れないポイントが多い。15-30からは、錦織の代名詞エアケイが決まり30-30。その後ジュースとなり、長いラリーからガバシビリのミスで錦織にアドバンテージ。ガバシビリはラケットを叩き付け悔しさをあらわにする。錦織のミスで再びジュースに戻ると、錦織がラリーで先にミスをしガバシビリのアドバンテージに。次は錦織がコート隅へのショットで勝負をかけ、ガバシビリが返し切れず3度目のジュース。ガバシビリのミスで錦織がアドバンテージを取るが、ガバシビリも負けじとフォアハンドの強いショットで4度目のジュース。ダブルフォルトで錦織のこのゲーム3度目のブレークポイントに。最後はまさかの連続ダブルフォルト。粘りあいとなったゲームを制し錦織がこのセットも先にブレークした

第2ゲーム 1-1 0-0から錦織はバックハンドで逆を突きポイント。錦織のミスもあったが、ガバシビリは左右への揺さぶりについていくことができず、主導権は錦織が握る展開に。40-30からの錦織のショットは惜しくもネットアウトとなりジュース。錦織がバックハンド、フォアハンドと使い分け左右への揺さぶり、ガバシビリが追いつけずに錦織のアドバンテージ。しかし、ラリーからガバシビリの浮いたショットに対し錦織のスマッシュがネットにかかり再びジュース。2度目のアドバンテージでそのまま押し切って錦織がキープした。

第1ゲーム 0-1 雨脚が強くなり、試合の続行が協議される。続行を望む客席からはブーイング。それでもしばらくのあと、2人がコートに現れると、大きな拍手で迎えた。

 このセットはガバシビリのサーブからスタート。15-0から、錦織はロブショットをガバシビリに返されたが、落ち着いて左隅に返しポイント。15-30からは、左右への揺さぶりに我慢できずガバシビリがミス。続けて、錦織のショットがコートの一番深いところに決まりガバシビリが返せず。30-40から、錦織のショットが決まったかに思われたが惜しくもラインからボール1つ分外れジュースに。錦織は1度、ガバシビリのアドバンテージを凌ぐと、2度目のガバシビリのアドバンテージでは、リターンエースをライン上に決め3度目のジュースに。しかし、ガバシビリはサービスエースで3度目のアドバンテージにすると、最後は粘り勝ちで、かろうじてキープした。

第1セット、サーブを放つ錦織(AP)
第1セット、サーブを放つ錦織(AP)

第1セット 錦織6-3ガバシビリ

第9ゲーム 6-3 錦織は0-15と先行されたが、サーブをいいところに決めいずれもリターンミスで30-15。フォアハンドショットで逆を突き40-30とすると、最後はサービスエースで錦織がキープし、第1セットを奪った。

第8ゲーム 5-3 錦織は15-0から、ガバシビリのコート隅へのショットをかろうじて拾う。高いフライとなったボールをガバシビリが満を持してスマッシュしたが、まさかのアウトに。15-40からストローク戦で粘り勝ち、ポイントを奪ったが、30-40からはガバシビリがラリーを制しキープした。

第7ゲーム 5-2 0-0からドロップショットで揺さぶりあいに。最後は錦織がガバシビリの正面に強いショット。これが体に当たりポイントに。30-0からはガバシビリの乱れたリターンを見逃さずきっちりコート隅に決める。最後は40-15から、ショットを再びコート隅に決めガバシビリに触れさせることなく決め、ここも錦織がキープした。

第6ゲーム 4-2 15-0から、錦織はバックハンドのジャンプショットでリターンエースを決める。しかしガバシビリもサーブで攻め、錦織のミスを誘いキープした。

第5ゲーム 4-1 錦織は30-0から、ガバシビリに際どいボールを拾われたが、落ち着いてドロップで返しガバシビリは追いつけず。40-0から、錦織のサーブをガバシビリがリターンミスし、錦織がキープした。

第4ゲーム 3-1 錦織はこれまでの帽子からスタイルチェンジ。ネイビーのハチマキスタイルで臨む。よりスポーティーになった外見同様、いつも以上に果敢な戦いぶりを見せている。0-0から、得意のバックハンドショットをストレートに決め先行。以降も早仕掛けを試みる。30-40から、錦織のネットインショットをガバシビリが返し損ないジュース。錦織は1度アドバンテージを奪ったが、ミスショットが続きなんとかガバシビリがキープした。

第3ゲーム 3-0 40-30から錦織が前進してきたガバシビリの背後を狙いロブショットを狙ったが、長身ガバシビリが目いっぱい手を伸ばしボレーで返しポイント。ジュースに持ち込まれたが、サービスエースでアドバンテージを取ると、最後もサーブをガバシビリが返し切れず、錦織がキープした。

第2ゲーム 2-0 ガバシビリは188センチの長身を生かした打点の高いサーブを繰り出す。錦織もリターンから積極的に仕掛け、前に上がって打ち返していくスタイルでガバシビリにプレッシャーをかける。相手ミスが目立ち、30-40とブレークポイントにすると、最後もガバシビリのミスで錦織がいきなりブレークした

第1ゲーム 1-0 錦織のサーブでスタート。立ち上がり、錦織のサーブは良好。雨も気にしてか、早めの展開で仕掛けていく錦織。相手ミスを誘い、40-15と優位に立つと、ガバシビリのリターンが外れ難なく錦織がキープした。

 ガバシビリ陣営は、コーチの隣に陣取る女性が目を引く。ノーブラと思われる服装に、胸元を大きく開いたスタイルで観戦。

錦織の前の試合が約3時間中断。コートに敷かれていたカバーが取られ、試合再開した(AP)
錦織の前の試合が約3時間中断。コートに敷かれていたカバーが取られ、試合再開した(AP)

<データ>

 全仏での日本選手の8強以上は男女を通じて過去4度あり、佐藤次郎は31年にも4強入り。女子では75年に沢松和子が準々決勝に進み、95年には伊達公子(現姓クルム伊達=エステティックTBC)が準決勝進出を果たした。錦織は2013年のベスト16がこれまでの最高。