ラグビー日本代表ロック真壁伸弥(28=サントリー)が、9月のW杯(イングランド)への強行出場を高らかに宣言した。宮崎で合宿中のチームは9日、朝6時の早朝から3部練習を行った。そんな中、右太もも裏の筋肉が切れた状態の真壁はチームとは別にバイクやプールで体を動かした。痛み止めも飲まない豪放なタフガイは「照準はW杯。行く気まんまんですよ」と頼もしく笑った。

 真壁は2月27日のトップリーグ・プレーオフ決勝で太もも裏を負傷。大きな2本の筋肉のうち、1本が完全に断裂した。直後は立ち上がることもできず、救急車で搬送された。手術を受けなければ治らないが、そうなれば全治に1年かかる。W杯を目指すため「切れたまま」を選択した。

 リハビリを重ね、現在は走ることもできる。筋肉が切れているため、痛みはある。それでも「もう1本の筋肉をとにかく鍛えて、周りの筋肉も強くしている」と前向きに話した。

 リハビリ期間を生かし、チームメートの約1・5倍ウエートトレーニングをしている。この3カ月で増えた筋肉量は他の選手が2キロほどなのに対し、真壁は6キロも増やした。「足は少し遅くなるだろうけど、ロックだからどうにかなる」と冗談を飛ばした。【岡崎悠利】

 ◆真壁伸弥(まかべ・しんや)1987年(昭62)3月26日生まれ。仙台市出身。ポジションはロック。仙台工高-中大。09年にサントリー入団、10年から日本選手権3連覇。代表キャップ数は29。192センチ、125キロ。足のサイズは30センチ。