開志国際(新潟)は足羽(福井)に快勝し、4度目の対戦でリベンジに成功した。昨年6月の北信越高校総体決勝、1月の同新人戦決勝、6月の同高校総体で敗れている相手に、登録15人を投入する全員バスケットで勝った。先発でただ1人の1年生・SF藤永真悠子(16)が持ち前のスピードを駆使して21得点。U-16日本女子代表の実力者ぶりを見せた。きょう25日の3回戦の相手はインターハイ3回戦で61-62で敗れた全国総体準優勝校・岐阜女。リベンジの第2弾が始まる。

 相手防御網のほころびを、藤永は突いた。24-12で迎えた第1Qの9分だ。ディフェンスの空白を見極めると、178センチの長身選手はスピードあふれるドリブルで右サイドを切り込んだ。確実に決めたのは、ノーマークのレイアップシュート。「走って攻撃すると、自分のリズムを作れる」。U-16日本女子代表は走って、走って21得点を積み上げた。1回戦の鹿児島女戦は16点をマークしていただけに、2試合連続の2桁得点になった。

 立ち上がりは緊張で全身が凝り固まっていた。開始5分26秒には1度ベンチに退き、その27分後には再びコートに登場。富樫英樹コーチ(53)から「全部行け」と言われ、目が覚めた。積極性を取りもどし、快勝の立役者の1人になった。「ミスを恐れず、積極的に次もやりたい」。3回戦の全国高校総体準優勝校・岐阜女戦に視線を向けた。

 ショートカットの髪にキリッと引き締まった顔つき。10月の学園祭では、並み居る男子生徒を抑えてイケメン投票NO・1に輝いた。迫力あるプレーはまさに「イケメン」そのもの。元全日本女子代表監督でbj新潟監督の中村和雄氏(75)は県大会優勝後、藤永にこんなアドバイスをしている。「日本のエースになる! と、毎日寝る前に唱えろ」。もちろん、実践している。

 U-16日本女子代表。8月のFIBAアジアU-16女子選手権(インドネシア)では準優勝に貢献した。風邪で体調を崩したタイ戦を除く6試合で先発し、全7試合で計57得点獲得した。16強入りした今年のインターハイは不在で、準優勝した岐阜女に61-62で敗れた悔しさは知らない。「自分が出場して同じ結果なら後悔する。変わらないじゃないか、と言われるのは嫌」。藤永が、勝利へコートを突っ走る。【涌井幹雄】