最多20度の優勝を誇る能代工(秋田)が04年以来25度目の決勝進出を逃し、明成(総体1位・宮城)との決勝東北対決は実現しなかった。57-62で迎えた第4Q、シュートの早打ちでチャンスをつぶす一方で、逆に相手に的確に決められて大勢が決まった。茨城からバスケット留学し、この日チーム2位の19得点を挙げたエースG小室望海(3年)は「後半、弱気になってしまった。相手チームに知り合いが多くて負けたくなかったが、一枚上手だった」と涙にくれた。

 今年4月から就任即4強に導いた栄田直宏コーチ(45)は「持っているものを出せずに終わるのは悔しいが、今日はすべて出し切って悔いはない」と振り返った。今日29日の中部大第一(愛知)との3位決定戦に勝利し、名門復活の1歩にしたい。「勝って、能代工が生きているということを見せつけたい」と前を向いた。【高橋洋平】