静岡聖光学院が倉吉北(鳥取)を完封し、白星スタートを切った。後半開始から8選手を入れ替えながらも試合終了まで相手を圧倒し続けた。計10選手で17トライを奪取して今大会初、県勢としても初めて全国大会で100点ゲームを成し遂げた。明日30日に控えるシード校・国学院久我山(東京)との2回戦に向け、はずみをつける圧勝劇となった。

 後半20分、フランカー尾藤大毅(3年)が奪ったトライで、静岡聖光学院は93-0までリードを広げた。目標に掲げた100点ゲームまで、あと7点。同25分、左サイドの敵陣5メートルラインからスクラムで押して中央に展開。最後はただ1人の2年、CTB高橋国光がゴール下にトライし、5点を追加した。U18日本代表候補のFB影山駿介(3年)がゴールキック(2点)を決め「公約」通りの100点に到達した。

 後半20分、トライ後のゴールキックを外した影山は「自分が100点を取るために、93点からのキックをわざと外したとかないですから」と冗談も飛び出すほどの圧勝ぶりだ。すぐに真顔となったFBは「1つ1つのプレーの結果です」と、全員の力による100点ゲーム達成を強調した。

 大幅な選手変更でも実力は不変だった。開始3分のSH青山直生(3年)による先制トライを皮切りに前半だけで7トライ。後半開始時に8選手を入れ替えても勢いは止まらない。青山ら7選手が2トライずつ、10選手で計17トライという“荒稼ぎ”だった。春の全国選抜大会に初出場した際、他チームよりも選手層が薄いと感じていた島田至隆監督(39)も「今日は好調な選手を先発させた。選手が代わっても、勢いはそのままで、底上げが出来た証拠」と手応えを口にした。

 明日30日はシード校となる国学院久我山との2回戦になる。フランカー川井泰成主将(3年)は「良い芝生で久我山と対戦出来るのは幸運。まとまりになって戦いたい」と意欲満々だ。その組織力を武器に金星奪取を狙う。【大野祥一】