6年間で築き上げた団結力で勝利をもぎ取った。5大会連続22回目出場の茗渓学園(茨城)が、31大会連続55回目出場の大分舞鶴(大分)に接戦の末、勝利し、2回戦進出を決めた。

 全国優勝経験がある両校らしいシーソーゲームだった。前半17分、茗渓学園のロック岡添裕也(3年)がPGで先制すると、同29分には大分舞鶴にトライを決められて逆転された。その後も互いに点を取り合い、最後は後半24分にWTB加藤樹大(2年)が左隅に決勝トライを決めた。茗渓学園はFW陣、大分舞鶴はBK陣の特長を生かした激しいラグビーを展開。試合後、主将でCTBの日高裕史(3年)は笑顔もなく「まだ1回戦。調子に乗りすぎるな!!」と同僚を引き締めた。

 同校のラグビーは「自主性」を重視するのが伝統で、高橋健監督は練習や試合で指示をほとんど出さない。勝利を得るために、選手が考えて動くラグビーを貫く。登録選手25人中23人が茗渓学園中ラグビー部出身で、選手は6年間ともに戦ってきた“戦友”で、花園にかける思いも強い。日高は中学時代も主将を務め、全国大会で優勝した経験も持つ。頼れる主将は「他校の倍の時間、仲間とはラグビーをやっている。戦術を含めた役割なども互いに理解しているし、1回戦に勝って浮かれるのではなく、気を引き締めないといけない」と言った。

 高橋監督は「1回戦の試合ではなかった」と苦笑いし「ボールを奪われると10分ぐらい返ってこなかったから苦しかった。ここからどうこうは出来ないので、あとは気持ちの問題。高い意識と気持ちを持ち続けることが重要だと思う」と話した。

 2回戦は30日に青森北と対戦する。