期待の新星堀島行真(19=中京大)が、デュアルモーグルを制し、日本男子初優勝となった8日のモーグルと合わせて2冠を達成した。フリースタイルスキーの日本勢の2種目制覇は、09年世界選手権猪苗代大会の上村愛子以来の快挙だった。これまでは無名の存在だったが、今大会で才能が一気に開花。あと1年を切った平昌五輪の金メダル候補に躍り出た。

 一発屋ではなかった。堀島が前日のモーグルに続く2冠を達成した。「プレッシャーは前日の方が大きかった。今回のレースは楽しく滑れた」と達成感に浸った。決勝では転倒するも、相手も第2エア手前で転ぶ幸運。まさに天も味方していた。

 あの絶対王者をまたも倒した。トーナメント方式で争う非五輪種目の3回戦が最大の正念場だった。相手はW杯個人種目別を6連覇しているミカエル・キングズベリー(カナダ)。第1エア着地後はリードされたが、第2エアで並び、先にゴールした。21-14。W杯0勝の男が、歴代最多42勝の王者に2日連続で土をつけた。「キングズベリーに勝ったからには優勝しないといけなかった」と、その後は次々とライバルを撃破し、頂点に立った。

 大会前まで世界的には無名の存在だった。W杯は13年2月に初出場、最高は15年12月のルカ大会(フィンランド)のデュアルモーグル3位。8日の優勝会見では海外の記者から「君が勝つとは思わなかった」と驚きの声も上がった。それでも「僕は勝つつもりでいた」と言い切った。初出場で2冠。強心臓の末恐ろしい19歳だ。1年を切った平昌五輪での金メダル獲得に期待が膨らむ。もうダークホースではなくなった。