7月3日からテニスの4大大会、ウィンブルドンが開幕する。そのウィンブルドンを3回にわたって紹介する今回は第2回。ウィンブルドンといえば芝だ。

  ◇   ◇   ◇

 ウィンブルドンの象徴といえば、緑がまぶしい手入れの行き届いた芝のコートだ。95年以降、毎年、高さ8ミリにカットされた芝が、世界のテニスのトップ選手を迎える。大会直前には、ボールをコート上に落とし、バウンドする高さを測定し、改良を加える。

 現在の男女のツアーで、芝のシーズンは非常に短い。男子で言えば、年間63大会あるツアーで、芝の大会は8大会しかない。それも、15年以降、全仏からウィンブルドンまでの期間が3週間に拡大され、大会数が増えた。14年までは両大会の間は2週間しかなく、芝の大会数はもっと少なかった。

 ただ、4大大会は、もともと全仏を除き、すべて芝の大会だったことはご存じか。全豪は87年まで芝コート開催で、現在の会場に移った88年からハードコートに移行した。全米は、74年まで芝コートでの開催。75~77年までクレー(土)になり、78年に現在の会場でハードコートとなった。

 つまり74年までは、テニスは芝でするものが当たり前だった。4大大会の内、3大会が芝コートでの開催ということは、その前哨戦も必然的に芝コートでの戦いとなる。昔は、球足の速い芝が基本だったため、そこで有効なネットプレーヤーが多かった。

 しかし、芝は手入れが非常に難しい。使えば使うほど、すり切れ、簡単には元に戻らない。ツアー日程が過密になり、大会を毎週こなすプロの世界となると、芝はコートとして廃れていく。ハードコートが全盛となり、そこに赤土のクレーが続く。コートの変化とともに、選手のプレースタイルも、ベースラインからのストローク中心に変化してきた。

 ◆WOWOW放送予定 2日午後9時から「錦織圭 世界の頂点へ! ウィンブルドンテニス開幕直前スペシャル!」がWOWOWプライムで無料放送される。3日から19日までウィンブルドンをWOWOWライブを中心に生中継。